二日とんで、三日目




リンクの家で居候して三日目。
外は少しずつ太陽光が差してきた頃に目がぱちり。


『ふぁあ………』


太陽がこれから昇る頃だろうか、目を覚ました。
携帯を見れば時間的に四時くらい。
寝れはしたけれど、まだ来たばかりで慣れない環境だからか早く起きてしまったみたいだ。
まぁ、普段なら衣食住の心配すらないわけだからストレスや不安も感じることなく寝れるわけだしなぁ……。

それに昨日は服をもらった後、デクの樹のそばで子どもたちにハイラルはどんなところがあるのか、森と外はどんなに違うのかと太陽が真上に行く前から陽が落ちるまでずっと座談会のように話していたのだ。

デクの樹はこちらのことを知っているので私でも知らないことがあればすぐに詳しく、本当にその通りに話してくれるのでとても助かった。

それにしても何故デクの樹はそこまで詳しいのだろうか。それも精霊の力なのだろうか。

更にそこには双子姉妹も当然ながらいて、下着について聞かれてしまいすごく恥ずかしかった。
コキリ族は家族のような接し方だから多少裸でもそこまで恥ずかしくはないらしい。
そういえば揉みくちゃに測定されてる時リンクも離れてるとはいえその場にいたな……。

とても気になるのか、素材や形について聞かれたがブラなんて成長して大きくなる際に形が崩れないようにくらいしか知識はないのだ。
とにかく、外ではそういった下着を必ず付けることと異性の前では肌をあまり見せない習慣があるとだけ話した。

話しすぎて顎が疲れてしまい、なんとかそこでお開きとなった。今もまだ少し顎が痛い。

床で寝てたので背中が少々痛い。
いつもスプリングのあるベッドで寝ていたからだと思う。リンクはまだ布団を蹴り落として寝ていた。意外と寝相は悪いほうのようだ。


朝だからか森の中はひんやりとしていて少し肌寒かった。
少々冷え症なので手足は冷えていた。手を摩り温める。
そういえばこの世界にも季節というものはあるだろうか。その描写はなかったから気になるところだ。

コキリの森みたいな小さな世界では雪など寒い他ないだろう。
子どものままのコキリ族にとっては寒すぎるだろうし。服装的にも軽装すぎる。
意外とデクの樹の力で寒さなど感じないかも知れない、この隔絶された森の中なら。

リンクが起きたあと、お互い挨拶しながらあさの食事をしたあと。
朝の散歩として歩いている途中にサリアに会った。


「おはようユキセ、昨日はとても楽しかったヨ!」

『あはは……あれで満足してもらえたなら良かったよ』


途中聞いた話としてシンデレラのお話とか盛り込んだりしたんだけれどお気に召していただけたようでなによりだ。


「そういえばユキセはこれからどうするの?」

『んー、今は何もやることがないかな……また話でも、なにか足りないならまた話すけれど……』

「昨日舌噛んでたじゃん、だめだよ。また噛んじゃったら痛いって」

『……それもそうだね』


たしかに途中舌を噛んで血が出てしまったので薬もらったんだった。緑の液体を飲むということをしないのでビクビクしながら飲んだらハーブの香りと苦みで一瞬意識が飛びかけた。

思わず吐き出しかけたが面前で、しかも双子姉妹の視線が鋭かったのでそのまま鼻をつまんでごくんと気合いで飲み込んだ。
出来立ての衣装を汚すなという視線だった、服に関して厳しい……。
しかし口の中の傷は不思議と消えたのに顎の疲れは取れないのは何故なんだろう……。

今日は上記の理由で外のお話を一旦休んで、コキリの森でも案内してもらおうと思っていた。
ほら、デクの樹の言う修行というのはと聞かれて見聞を広める為だと誤魔化したから、何かをするとかしなきゃいけないというのは特にない。


「ならデクの樹サマのとこで今お話がやってるよ」

「え、それじゃあそっちに行こう!」


デクの樹の話とは昔話のようでみんなはそれがいつもお気に入りみたいだ。
自分がいてそのデクの樹の話が飽きてしまわないかと不安だったが杞憂だったようで安心した。
暇つぶしにはいいだろうと思い二人に着いていった。



* * *



「サリアはいいけど他はいれねぇぞ!」


立ち塞がったのはミドにくっついてる二人。

ミドとその面子と仲が悪いのは原作でもそうなんだ。ソレの根本であるこの世界もそうだろう。
というか、逆によそ者に優しいミドは気持ち悪いとさえ感じてしまう。すまんな。


「何勝手なこと言ってんだ!」

「そうよ!何ワケわからないこと言ってるの!
潰すわよ!」


サリアさん、一体何を潰す気なんですか。

二人の気迫にたじろぐミドの手下達。
そういえば昨日の座談会にミドたちはいなかったけれど良かったのだろうか。ほかの男の子は来ていたしミドは外の世界に興味はないのかな。
太ましい男の子が髪の毛で目が見えない男の子へと声をかける。


「よ、妖精なしのくせに……おい、お前も何とか言えよ!」

「ん……?あああ!」


突然大声を出しながら自分に指を指されてびっくりした。その声にびくっと肩が揺れた。
な、なに?


「どっかで見たことあると思ったら迷いの森で会った奴ジャン!暗くて分かんなかったけど!」

「そうなの?」

『え?うーん……あ、まぁ……』

「どーりで見たことあんなぁって思ったぜ〜」


この髪の長い男の子は兄弟が多いらしく何人もいるので正直誰が誰なのか分からないので曖昧に相槌を打つ。
うんうんと頷いて納得しているようだけれど今のこの場の空気を理解しているのだろうか……。
と、あの前髪がやたらに長い少年がしみじみと思ってると太ましい少年が現実に戻す。


「おい、リーダーに妖精なしとよそ者は入れちゃダメだって言われただろ!」

「んだよ文句あっか!」


リンクが乱暴に食いかかって
やがて男子三人で取っ組み合いの喧嘩になる。
普通の取っ組み合いに終わるかなと思ったけれど、殴る蹴るの本格的なものになりそうだとそろそろ止めさせようと思った時、
サリアがふぅとため息を吐く。見た目は子どものはずなのに雰囲気は大人のそれと変わらないのは何故なのか。


「結局こうなるのね……、ちょっと絞めてくるからユキセ待ってて」

『うん……うん?』


なんかサリアの口から笑顔が似合わない言葉が聞こえたような……。
サリアの変化にいち早く気づいたらリンクが素早い速さで取っ組み合いから抜け出した。
臨機応変さをそこで使うのか。


「さ、サリア、ちょっと姉ちゃんもとめ……」

「リンク、ちょっと黙ってね」

「う、ん」


……リンクは直ぐに黙った。こくこくと素早く頷く。
やばい、黒だ。
この子、腹に黒いの飼ってる。
サリアが近くことにぴたりと動きを止めた。


「さて、さっそくミドを呼んできてくれるよね?すぐそばにいるでしょ?」


後に聞いたがリンクの家にあった私が迷った時治療してくれた時にあったあの独特な色の薬はサリアが作ったものらしい。
もしもミドが乗り込んできたら使えとのこと。
……一体あの薬は何の効果があるのだろう。

結局デクの樹の話を聞くことは無かった。
どんな話か気になったんだけれど、おそらく三女神のお話だろうか。いつもそんな話ばかりではないだろうから今度聞いてみたい。



prev/next


back