2026年キスの日SS詰め合わせ(貴方に支配されて、所有されていると確認する瞬間が好きなの)


「ねえ、僕のパジャマは?」
「え? ない?」
「ない」

 風呂上がりに上半身裸のシンクに声をかけられて首を傾げる。そういえば最近シンクのパジャマを洗濯した覚えがない。しかしシンクは先日も洗濯機に放り投げたと言っている。
 二人で首を傾げながら探索した結果、放り投げられたパジャマたちが洗濯機を通り越して洗濯機と壁の間にてむなしく放置されていたのを発見した。そりゃあ見つからないわけである。
 これは流石に私は悪くないだろうとシンクを見れば、片眉を寄せたシンクが気まずそうにそっぽを向いた。

「……とりあえず今日はこれで寝る。そんなに寒くないし」
「そうだね。明日まとめて洗っておくから」

 言い訳のように口にするシンクに苦笑交じりに頷き、二人そろってベッドに向かう。
 シンクに髪を結ってもらい、寝支度も終えたところでシンクがベッドサイドに置いている音素灯へと手を伸ばした。

 正直、シンクの裸を見たところでもう恥ずかしくて視線をそらすようなことはない。
 だってえっちまでしているのだ。私の裸だって散々見られている。けれど音素灯を消すシンクを見た時、不意に背中の譜陣に目が行った。
 そういえば胸の譜陣はともかくとして、背中はまじまじと見た事がないなと考えているうちに音素灯が消される。

 シンクが体勢を戻す前に手を伸ばし、触れてみる。
 肌に刻み込まれた譜陣はどこか冷たい気がする。

「ちょっと、何?」
「ん……触れたいなって、思って」

 戸惑うようなシンクの声に曖昧に返事をして、なんとなしに唇を落とした。
 この譜陣があるからこそ、今のシンクがある。そう思うとなんだか愛おしかったから。

 けれどシンクは別の意図で受け取ったらしい。
 こちらを向いたかと思うと私の上にのしかかってきて、服の襟を引っ張って露わになった胸元にキスをしてくる。
 顔を上げたシンクはニヒルな笑みを浮かべていた。

「誘ってる?」
「ちが、うけど……シたいなら、いいよ?」
「ふうん??」
「……私は、シンクのものだから。好きにしていいよ」

 そう言って両手を伸ばし、シンクの両頬を包み込む。シンクは私の手に頬ずりをすると、私の片足を抱え上げた。
 重力に従って寝間着のワンピースがずり落ち、素足が露わになる。
 シンクは暗闇の中で露わになった内腿にキスをすると、ぺろりと舌を這わせた。

「そうだね。君は僕のものだ」
「うん」
「どれだけ地位が高くなろうが、力を与えられようが、この身体は僕のだ」

 言葉にされる所有宣言。赤の他人から見たらただの支配的な言葉なのかもしれない。
 けれど私にとっては嬉しいことだ。教団の中での地位なんて興味がない。
 ただシンクのもので居られればいい。シンクの隣に居られればそれでいい。

 私の片足を肩にかけ、のしかかってきたシンクとキスをする。
 互いの体温を溶け合わせる夜はいつだって幸福だ。
 だってシンクだけが、私がこの世界に居る意味なんだから。


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