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「おめでとうございまーす!一等”豪華温泉旅行一泊2日”です!!」
カランカラン!と定番のベルの鳴る音が夕方の商店街に響き渡った。道行くマダムが振り返りながらこちらを見ているのがわかる。

「当たった…、1等…。」

商店街の福引。イグニスがいつもノクトのマンションへ寄る前に行くスーパーでもらった福引券を、ノクトがもらったらしく、3人でやりにきた。
1枚しかなかったのでジャンケンで勝ったモーグリが引くことに。
参加賞のお菓子詰め合わせでも当てて3人で食べようと思ったのだが、まさかの…1等…{emj_ip_0792}

「うおー!やったじゃんモーグリ!」
後ろから腕を組んできて目をキラキラさせているプロンプト。
「一生分の運使ったんじゃね?」笑う王子。

「おめでとうございます{emj_ip_0792}ではこちら、ペア宿泊券です{emj_ip_0792}」
おねいさんがモーグリに旅券の入った封筒を手渡した。

ペア、ですと?

「あちゃー、ペアか。」
ざーんねん、みんなで行きたかったなあ、とプロンプトは頭の上で腕を組む。

「どーすんだよ、俺は王子だから勝手に旅行とか行けねぇ。行きたいけど。」
ちょっと残念そうに言いながら、ノクトがモーグリの握りしめていた券を奪う。

そのままノクトのマンションへ歩き出す3人。

「うーん…私も誘う人思いつかないなあ…。」
旅行に誘えるような人…いない。せめて4人とか5人用なら無理にでもノクトを引っ張り出してグラディオと、イグニスと、プロンプトと、みんなで旅行行けたかもしれないけど…。
そんな事を考えながら、その哀れなペア宿泊券を眺める。

すると、旅券をヒラヒラと目の前で動かしながら考え込んでいたノクトは思いついたように言った。

「…んーじゃあさ、イグニスと行けばよくね?」

「あ!それいーじゃん!元はイグニスがくれた券だし!」

2人はニヤニヤしながらモーグリを見た。

「「チャンスだろ(だね)?」」

同時に言う2人。

「…」

そうです、私はイグニスが好きエンティアです…。王子とカメラ小僧にはバレてます。

「で、でも…イグニスが来てくれると思う?」

ちょっと色々想像してから、まんざらでもない顔でモーグリは2人に聞いた。

そりゃあ行きたいけど、てゆーか行きたい。


「王子命令にしといてやるよ、それにイグニスもまんざらじゃねーだろ?」

「そうそう、結構イグニスってばモーグリと話すとき顔が柔らかくなるっていうかー。」

「あーあーあー!やめてやめて!」

そうやって持ち上げといて、断られた時のことを考えると、どうしようもなくなるからやめてくれ!とモーグリは叫ぶ。

「とりあえず、とりあえずだよ、聞いてみるよダメ元で…。」

ちょうどマンションに着いたので、部屋へ上がりノクトから券を奪い返すと、スマホを取り出した。

電話帳からイグニスの番号を探し出し、一呼吸置いてから思い切って発信を押す。



−−−−−プルルルル、プルルルル、


『』

30秒くらい鳴らしたところで、諦めて切ろうとしたら通話が開始された。


『…どうした?』

イグニスの声を聞いた途端熱くなる耳たぶと、速くなる心臓。

2人に目配せし、口パクで「電話出た」と知らせると、相変わらずニヤニヤするノクトとプロンプト。

『あ、あの、急にごめんなさい。…今大丈夫だった?』

『ああ、ちょっとスマホを遠くに置いていてすぐ出れなかっただけだ。問題ない。』

そこからすぐに切り出せず、10秒くらい沈黙した後にやっと意を決して話し出した。

『えっと、ね。そんな重大な連絡じゃないんだけど、ちょっとイグニスにお願いがあってて…、』

チラッと、手元の旅券を見た後一気に話し出す。

『今日ノクト達と、イグニスにもらった福引やりにいったの、ね?んで、私が引いたんだけど、当たったの、1等…。』

『ああ、あの福引券か。すごいな、よかったじゃないか。』

優しいトーンで返される。

『…それでね、温泉旅行の宿泊券…ペアなんですけど…。』

こっちを見てるプロンプトが口パクで「ガンバレ!」と言っている。

うん、頑張るよ。

『…イグニス一緒に行きませんか?』


いっちゃったー、と思ったらほんの少し達成感で気分が楽になる。うん、断られたって仕方ないことだから、とりあえず言えた自分を自分で褒めたいです。

とか思っていたらイグニスが返して来た。

『…俺と2人でか?』

『あ…え…うん、イグニスからもらった福引券だったし…当てたの私だし…って思ったけど、やっぱムリだよね、ごめんごめん{emj_ip_0792}』

何だか困らせてしまった気がして、答えを聞く前に自分でまくし立てるように話を終わらせる。

『いや、…別に無理ではないが。
モーグリこそいいのか?俺と2人で。』

『…え?あ、その…2人がいいんですっ!』

無理じゃない、と言われた為動揺してしまってつい本音を漏らしてしまった、大声で。
ノクトもプロンプトもちょっとびっくりしてこっちを見ている。こっち見んな。

『っぷ。』

イグニスが電話口で笑っている。

『…すまない、少しびっくりしただけだ。』

まだちょっと笑ってる。

『ごめん…、でも笑うことないじゃん…。』

あーもう恥ずかしい。目の前に本人がいなくてよかったと思った。

『笑って悪かった。では、予定を空けとくようにしよう。行く日は会って決めようか。』

『…うん!』

そのあと短く挨拶を交わして電話を切った。


スマホをしまってニヤニヤしながら振り向くと、ノクトとプロンプトもニヤニヤしていた。


ああ、なんていい日だろう。

「2人で旅行…ふふふ。」

「あ、モーグリニヤけすぎー」

「イグニスはああ見えてムッツリっぽいからな。気をつけろよ。」

「な…っ!そこまで考えてないってば!」



これからイグニスと旅行の打ち合わせして、洋服選んで、準備して…。

楽しみすぎて今から寝れそうにありません。



Coming Soon...



2017.03.19

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