思春期のアレ




「うわ〜まじヤバイってノクトぉ…」

うげー、と顔を歪めてプロンプトは落ちていたノクトの靴下をつまむ。
さながら父親の物を触る娘のようだった。

「…黙ってひろえよプロンプト」

ノクトはお菓子のゴミやティッシュなどをポイポイゴミ袋に入れて行く。

「ちょっと!あんたの為にみんな手伝ってるんでしょーが!」
モーグリはマスクと手袋の完璧防御で片っ端からゴミを拾って行く。

そうです。御察しの通り、ノクティス王子のマンション、汚部屋でございます。

散らかせばいつもイグニスが片付けてくれて、気づけば元どおり。
そんなの間違ってる!あんたがやりなさい!
と、モーグリが一喝したのはつい先日の事。

モーグリはノクトとプロンプトと同じ高校の同級生で、レギス陛下の古い友人の子供。ノクトとは小さい頃から遊んだりしていた為、幼馴染であり、悪く言えば腐れ縁。
イグニスやグラディオとも顔なじみで、イグニスには特によくノクトの学校での生活態度を報告している。チクってるわけではない。

「イグニスはいっつもノクトに甘すぎなの!なんの為の1人暮らしよ、たまには自分の始末くらいさせなさい!」
学校では大人しいくせに、ノクト達の前だと怖いしよく喋る。外面の良い女ってこわいなって思う。

そんなモーグリにイグニスは怒られ
「そうだな…では次回からは手出ししないでおこう。」と、肩をすくめた。

「ノクト、今回はイグニスが片してくれたけど、これを維持すればいいだけなんだからね!」
自分でやりたくなければ維持しろ!と釘を刺されたのは…確か一週間前かな。

「にしてもさあ、何でこんな散らかるの?オレ、いつもイグニスが居る時しか遊び来た事なかったけど、イグニス居なかったらヤバかったんだね…」

さすが、一家に一台イグニスだよぉ、と意味のわからない事を呟きながらゴミとそうでない物を分けて行くプロンプト。
てゆーか何で手伝ってるんだよオレ。
って今更文句言ってるけど、ノクトが何も言わず平然と今日この部屋に招いたからである。そういうモーグリもとばっちり。


「モーグリがイグニスなしで片付けろって言ったんだろ、手伝う義務がある。」

うんうん、頷くノクト。

「甘ったれ王子め…{emj_ip_0792}あぁ〜もうやだぁ…。」

モーグリはバタンとノクトのベッドに倒れこんだ。

「ん?」

ベッドと壁の隙間に何かあるな。考えるより先に手を伸ばして抜き取るモーグリ。

はいはい来ました。

「…ノクトのオカズ発見…」

『月刊:エロス 8月号 色白美乳特集{emj_ip_0792}』
セクシーな巨乳のお姉さんが表紙のピンクすぎる雑誌は使い込んでるっぽかった。お気に入りのページだろうか、所々折ってある。


「うわっ!ちょっ、モーグリそれはっ…{emj_ip_0792}」

取り返そうと焦る童貞王子がこちらに駆け寄ってくるが、モーグリはプロンプトにパスした。

「ナイスモーグリっ!」

見事キャッチしたプロンプトは、ニヤニヤしながらノクトとエロ本を交互に見る。

「ノクトのお気に入りのページコレぇ?」

折ってあったページを見開いて、ノクトとモーグリに見せる。セミロングの髪で色白な女性が全裸で恍惚とした表情を浮かべているページだった。
モーグリは別にこういうのは平気なのでゲラゲラ笑いながら焦るノクトを楽しんでいた。


「…マジお前ら最低だな…」


ノクトは諦めてその場にあぐらをかいた。
過去の経験上、焦ったりするとコイツらの思う壺なので仕方なく黙る事にした。
真っ赤な顔の王子。可愛くて仕方ない。

「プロンプト…っ…くくっ…もうやめたげよ…ノクトが…かわいそう…っ」
涙を流して笑いながらモーグリはプロンプトに言った。
いや、元凶はお前だろ{emj_ip_0792}とノクトは思ったが口の中で噛み砕く。
気づいたらノクトは恥ずかしくてこの場に居たくなかったのか、リビングの片付けに行ってしまっていた。

「ん〜…でもさあ、モーグリ見てこれ。」

ペラペラと違うページをめくって、プロンプトはモーグリの座っていたベッドに腰掛けた。そしてモーグリ開いたページを見せる。

ん?と、不思議そうにモーグリはページを見た。

「この子、モーグリに似てない?」

「…へっ?…いやあ…自分じゃわからないなあ…私に似てるか?」

プロンプトは「えー、似てるよー。」とまた本に目線を落とした。

「ノクトってモーグリの事好きだったりしてー。」

プロンプトは意地悪な顔をして言った。
このやろう…お前だって童貞だろうが。エロ本広げて調子にのるな、と言いかけたがやめた。

「いやいや、ないでしょ。確かに仲はいいけど、私女として見られてないもん。」

首をぶんぶん横に振って否定するモーグリ。

…だがそんな事考えたこともなかったので、他人に言われたら急に恥ずかしくなった。
いや、どうだろ。ノクトって意外とピュアだから、幼馴染への秘めた想いとかありそう…って私は何を考えているのだ。

ニヤニヤするプロンプトと、勝手に盛り上がるモーグリ。

「おーい、休憩すっかって…{emj_ip_0792}まだ見てんのかよお前ら!」

「ねぇねぇノクトー、これってモーグリに似てない?わざと?」

ぺらーっとノクトにページを見せる。

「ば、ばか!ちげーし!全然似てねーし{emj_ip_0792}だいいち、モーグリそんな胸ねーだ…ッ{emj_ip_0792}」
言い終わる前にモーグリが投げた枕がノクトの顔面にヒットした。

「アホらし、休憩しよーっと。」

考えて損した。と、言いながら痛がるノクトを無視してリビングへ向かった。
あ、まってよーとプロンプトはエロ本を投げ捨てモーグリの後を追いかける。



「…」


残されたノクトは静かにエロ本を拾って、例のページを見た。


「…やっぱ似てるよなあ…」



そう言って今度は見つからない場所に隠してから、リビングへと向かうのであった。


END


2017.02.22

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