ゆっくりと進むツアーの中で
冷たいレバーに手をかければ、ゆっくりと嘔吐物は便器の底へと流れていった。
何とかベッドまで辿り着けば、柔らかい布団にゆっくりと沈んだ。
愛知公演最終日。
公演終了後に食べた、ごはんを戻してしまったのは精神的なものか身体的なものか。
自分でもわからないほどの疲労が体を襲っていた。
どんどんと減っていく体重を止める術もなく、体重が落ちればそれに伴って体力も落ちてしまう。
必死にメンバーの皆さんについて行くが、体が限界を超えてしまっていた。
申し訳なかった。
メンバーの皆さんに。
皆さんの初めての大切なツアーを私は壊してしまっているのではないか。
私がいなければ、と考えるのは当たり前だろう。
フラッグやペットボトルが飛んでくるたびに、ほかの人に当たらなくてよかったと、安堵する。中身が軽く入っているペットボトルが飛んで来た時、当たったところはうっすらと痣になっていた。
私だけに向けられるならいい、招かれざるものであることは重々承知だ。
だから私のせいで誰かが傷付くことさえなければいい。
栄養ドリンク飲まないと、と考えてるうちに私の意識はゆっくりと遠のいていった。