戻ったありす達を迎えたのは、やはり大量の宅配物に爆弾が仕込まれているという報告だった。

「これ1つだと病室1つを吹っ飛ばす程度のプラスチック爆弾だが、これが数十個同時に爆発すればこの病院は間違いなく倒壊する…」
「倒壊…赤井さん、ちょっと見せてもらってもいいですか?」
「あぁ」
ありすは、その箱を受け取り確認する。外にはデジタル表示があって、41953…残り4:19:53というところだろうか。

「まあ、幸いだったのは爆発まであと4時間もあることと、爆薬本体に刺さった信管を取り外せば爆弾として機能しないということだが…病院側が宅配業者から受け取った届け物はほぼ配り終わっていて、その数は60個近くあるそうだ」
なるほど…だから組織は病院を人であふれさせたんですね。ジェイムズの言葉にジョディが納得する。
「宅配業者が大量の荷物を持って来ればかなり目立って怪しまれるけど、複数の業者に荷物を分散させ、このパニックに紛れて届けさせれば、受け取る病院側もいちいち怪しんでられないから…」

「とにかく残り4時間!捜査官を総動員して全ての病室へ行きチェックし、爆弾を回収してくれ!」
ジェイムズの号令をもとに、ジョディ達捜査官は、病棟へと走り出した。


「でもこれ、おかしくないですか?」
駐車場に残って爆弾を観察するありすに、残った人間――ジェイムズ、赤井、コナンの視線が集まる。

「先程の爆弾は複雑だったのにも関わらず、今回は信管を抜くだけの簡単構造。しかも、先程の植木鉢から爆弾が仕込まれていることは容易に想像できるのに今度は4時間もの猶予つき…いくらなんでも親切すぎません?」
「それは…そうだが…」
ジェイムズの困惑した声。

信管以外で他に発火機構が隠されているか、それともこの箱はフェイクで本命は別にあるのか…
「ひとまずこの箱、全部解体してみます…」
そう言ってありすは再び爆弾へと向き直った。


******



「こ、これって…!!」
ありすが解体しながら必要な部品を取り除いていくと、残ったのは明らかに不要な部品。
発信機か盗聴器かそれとも――不穏なワードがありすの頭の中をよぎる。
赤井さんとコナン君が座り込むありすの手元を覗き込んだとき…

「なに!?水無怜奈がTVに出てる!?」
無線を手にしたジェイムズの焦る声が響いた。

「それは本当に彼女なのか!?」
『は、はい、ロビーや病室にあるTVに映っているんです!病室からの映像で入院着を着たまま、ケガはもう完治したと…水無怜奈の病室からそちらに何か連絡は入っていないんですか?』
「いや、彼女の病室に張りこませた3名のうちの1人に5分ごと屋外に出て状況報告させていたんだが、変わった様子は…」
『そちらから病室に連絡は取れないんですよね?』
「ああ、輸液ポンプの誤動作防止の為に、携帯電話も無線も絶対に電源を入れるなと言ってあるんでな…とにかく彼女の病室へ行き、その真偽を確かめてくれ!」
『ええ!みんなそう思って、もう向かっています!』

「各ブロックのリーダーさんに伝えて!水無怜奈の病室へ行くなって!!」
コナンが叫ぶ声に、ジェイムズの目が見開かれる。

もう手遅れでしょうけど…と赤井が目を逸らし、もう少し早ければ…そうありすが唇を噛んだとき。

「…とりあえず行こう、水無怜奈の病室へ」
コナンがそう告げた。

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