「そうだ、そうだよ!夏だったんだよ!!」



 黒猫は夢を見る 7



さっきから杏ちゃんが、クーラーの効いた部屋でゴロゴロしてると思ったら...突然叫んだもんだから、れいは驚いて飛び上がる。

「れいくん、夏だよ!」

杏ちゃんがキラキラした目で近寄ってくるけど、僕には何のことだかわからない。
ゆっくりと、首を傾げると、

「夏を満喫しなきゃ!」

そういって、僕を目線の高さまで抱き上げた。




「第1回、夏を満喫するための作戦会議を実施します」

向かい合って正座した杏ちゃんが、真面目な顔だったので、れいも背筋を伸ばす。

あのキラキラした目には、晴れ渡った空、水のきらめき、青々と茂る緑...一体何が映っているのだろう。

れいが、次の言葉を待っていると。



「...で、夏って何するの?」


どうやらなにもなかったみたいだ。




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