「いまどきの夢では、黒猫もパソコン触るのね...」

キーボードを小さい手でパチパチするれいくんの後ろ姿をソファーで眺める。
マウスを器用に操作する背中は、もうなんか人間に見えてきた。...あ、そうか、猫だから、” マウス ” の扱いはおてのもの、ってことか。

それにしても…

「れいくん、器用だねぇ...」

ふああ、眠くなってきた。そろそろ夢も終わりかぁ...杏は再びソファーに沈む。
さよなら、れいくん。こんにちは、黒猫さん。


 黒猫は夢を見る 3



気がついたら日が傾き始めていて、杏はソファーからいそいそと起きる。思ったより寝過ぎたみたいだ。

「さーて、ご飯の用意しなきゃ...うーん、何を用意してあげればいいんだろう」

ソファーに座り直し、うーん。と唸ってみると、右後ろから聞こえてきた。

「杏ちゃんと、一緒でいいよ」

振り向くと、背もたれにちょこんと座る黒猫さん...えっと、喋ってる?
杏は目をパチパチとさせると、ほっぺたをつねってみた。...痛い。


「杏ちゃん...?」

「れい、くん?」

「はい。なんでしょう」


「...夢じゃ、なかったの?」


れいくんは、残念ながらそうみたいだね。と困ったように笑った。



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