テヒョンの部屋に移動して、後から続いた俺が鍵をかけた。
ガチャ、と静かに鳴る音にこっち側と向こう側を隔てた感覚を覚えて、なんだかいよいよって感じがするなぁと俺は独りごちる。
まだ髪の毛が乾いてないから本当はドライヤーをかけたいけれど、テヒョンがそれどころじゃなさそうだから諦めた。


「ユンギヒョン、」
「ん?」
「どうしよ、俺、こんな緊張してるの初めて」


なんでだよ、人の風呂上がりに突撃までして誘ったくせに。
そう思いながらテヒョンの表情を伺うと、本当に緊張しているらしく顔が強張っている。
そんなテヒョンを見ていたらいままで色々と悩んで考えていたことがバカらしく思えてきて、こいつをちゃんと気持ち良くさせてやろうってヒョンなりの覚悟が生まれてしまった。
だめだ、俺はどうしてもこいつに甘いみたい。


「とりあえず、おまえ服脱いで横になれ」
「え、なんで、」
「なんでって、男とヤるの初めてだろ?途中まで俺がするから、おまえは俺に任せろ」
「……ユンギヒョン、それはいや。俺ずーっとヒョンとこういう展開になるの考えてたんだよ。ヒョンのこと好きになった時から想像して、ヒョンは初めてじゃないけどそれでも俺がリードしたいって思ってた。だからお願い。俺がヒョンを気持ちよくさせたい」


そう言ったテヒョンは、俺の手を掴んでベッドの上に上がった。
俺はといえばまさかテヒョンにそんなことを思われてるとは知らなかったもので、正直ものすごくときめいた。
なんてことだ、弟として見ていた奴が一気に男としての認識に変わる。
そうでなくても元から整ってる顔で、ギラついた目で、俺のことを欲しいと見つめられたら。
不覚にももう随分と使ってない後ろがひくん、と疼いた。







「ん、ぁ、テヒョン、」
「ユンギヒョン、どうしよ、すげーかわいい」
「うるせぇ、っあ、まて、そこ、」
「乳首気持ちいい?」
「両方するな、!」
「……やだ、する」
「っあ、だめだって、!」


上も下も全部脱がされて、テヒョンのベッドの上。
そちらも全部脱いで素っ裸になっているテヒョンに、四つん這いで跨がれている俺はいつ振りだろうと思うくらい久しぶりに気持ちいいことをされている。
あーマジでヤバいわ。
感度が高まっていて、抑えたいのにどうしても声が出てしまう。
俺のそれを聞いては嬉しそうにするテヒョンは、ユンギヒョンまじで可愛いと喜ぶから俺としてはなんともいえない感情に苛まれるけれど。


「ヒョン、顔真っ赤。乳首感じるとか女の子みたいだね」
「おまえそんなこと言ってるとぶっ飛ばすぞ」
「前言撤回、女の子は俺にこんなこと言わない」


女の子女の子うるせぇよ。
おまえはいま俺とヤってんだから、俺のことだけ考えろ。
と、目で訴えると何を勘違いしたのか、テヒョンは両方とも指で弄っていたそこの片方に舌を伸ばして思い切り吸い付いた。
あっ…と思わず声が漏れる。
ジュウ、と吸われる中にもぬるりとした感触でそこを弄られて、ゾクゾクと気持ちいい刺激が体を駆け巡る。
唇が離れたと思ってもテヒョンの赤い舌がそこを刺激するのを目で追ってしまって……なんだかもう、色々とダメだ。


「あっ、あぁ、っや、てひょ、な、」
「ユンギヒョン、気持ち良さそう……こっちもしてあげる」
「っや、ぁっ、だめ、まてって、ば、っ」


吸ったり舐めたり、テヒョンは俺の反応を確かめるみたいにビンッと立ち上がったそこを舌で弄る。
ダメだ、本当に気持ちいい。
特に、全体を舐めるようにされてから舌で刺激されつつ吸われるのが本当にやばい。
もう片方は指でひたすら摘んだり捏ねたりあれやこれやで尽くされて。
さっきから声が本当に抑えられない。


「あ、てひょん、も、そこはいいって、なぁ、おい、ぁ、きけよ、っ」
「ヤダ、」
「んっ、ば、か、噛むな、!」


こいつに乳首弄られたら気持ち良すぎて死ぬ。
そうわかったあたりで俺の身体が大きく跳ねてやっと満足したのか、最後にジュッともう一度吸い付いてやっとその唇が離れた。
テヒョンは息が荒い俺を見下ろして、肌に触れるか触れないかのギリギリを鎖骨から臍まで指で滑るようになぞり、俺はその刺激にすら素直に感じた。
そのまま、長い睫毛を伏せるようにしたテヒョンから下半身へと注がれる視線。


「ユンギヒョン、ここ勃ってるね。乳首そんなに気持ちよかった?」
「ん、おまえがしつこいからだろ」
「違うでしょ、ヒョンの身体が気持ちよくなりやすいんじゃん……ねぇヒョン、感度良すぎじゃないの?」


こいつが何を言いたいのかなんとなくわかる。
でも俺は今まで開発好きな奴とも付き合ったことないし、性生活は至ってノーマルだった。
今まで身体の関係を持った相手を思い出しても、さっきテヒョンがしてくれたのが一番気持ち良いんだけどな。
……つーかそう考えたら、こいつこそ今までどれだけ色んな女とヤって、こんなに上手くなったんだよって思うんだけれどもおまえこそどうなんだよそこのところ。

でも今いちいち話すのはめんどくせぇから、全部引っくるめてそういうのは後回しだ。


「テヒョン、いま俺とセックスしてるのはおまえだろ。おまえが俺のことちゃんと気持ちよくさせろ」
「……ユンギヒョンさぁ、そういうところずるいよね」
「おまえより2年は人生の先輩だからな」
「たった2年じゃん」
「それでもおまえよりは長く生きてるだろ」
「そうですネ」


テヒョンの手が、俺の勃ち上がってるそこに伸びる。


「っん、」
「すごい、ユンギヒョンのガチガチ」
「おまえのも勃ってるだろ」
「うん、俺のももうやばい。てか、ユンギヒョンとこんな事してるって思うだけで勃つし、声聞いてるだけでイきそうになる」
「…ばかじゃねーの」
「ばかだよ、ユンギヒョンが好きだからばかになってるんじゃん」


そう言ってテヒョンは少しだけ俺のを扱いてから体を下の方に移動させた……かと思いきや、躊躇いもなくそこを一気に口に含んだ。


「ぁ、ちょっと!テヒョン、!」
「ん、んっ、」
「おまえ、っや、ぁ、まて、!」
「ん、きもひ、?」
「っあ、そこでしゃべんな、っ」


何度か頭を上下に動かして全体を濡らしてから、ちゅ、ちゅ、と下の方から先端にかけて唇で吸い付く。
舌でチロチロと竿を舐められたり、袋の方に吸い付かれたり。
おまえ本当に男と寝るの初めてかよ?って思うくらい気持ち良い。
ていうか初めてのくせに躊躇もせずにチンコ咥えられるのがすげえ。
そんなテヒョンに、俺は何をされてもあ、あ、って声がでる。
気づいたら両手でテヒョンの頭を押さえてる自分がいて、なんかもう恥ずかしかった。


「ヒョン、」
「っあ、やだ、いきそ、」
「ひゃめ(ダメ)」


最後にジュルジュルと音を鳴らして頭を上下に動かすと、テヒョンの唾液と俺の先走りでどんどんと滑りが良くなって、ああだめだ、もうイくって時にその口から解放された。

だから、なんだよこいつ。
人を気持ちよくする天才か。





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