ママ、私頑張ったつもりなのよ。
どうして、こうなったの。あの髪が長くて鬱陶しい男、何様なの!
辞めてやる、辞めてやる辞めてやる辞めてやる!
悔しい、私仕事出来てたじゃない!なんなの!
荷物は全部持って帰ろう。
あんな大きな部屋で空調なんて効きやしないし、あーだこーだ言われるし最悪だった。
本当に怒りが沸いてくる。
なんて傲慢な男?仕事の指示はくれるのが当然じゃない!なんなのよ!
控え室は狭くて、飾り気なんて無くて面白味がなくて、清々するわ。
ああ、涙が出てくる。お化粧崩れちゃう。
泣きたくなんてないのよ、私は!けど悔しい、本当に悔しい!
「…アンタ、なんてことしたんだい」
は?
家に帰れば大家が玄関に立っていて、そんなことを言うの。
私悪いことした?!してないじゃない!そこを退いてよ!
そうやって言えば奥の階段から男が降りてきた。
「おいおい、よくその面下げて帰って来れたなぁ。一刻も早く出てけよ」
なに?!あんたにそんなこと言われたくないわよ!日がな1日フラフラしてるようなあんたに!
隣の部屋に住んでる事だって嫌だったのよ、冗談じゃないわ。
「これ預かったんだよ、読んだら早く荷物纏めな。本当に馬鹿なことをしたねェ」
哀れむような目をしないで。
そんな顔で私を見ないでよ!私の方が何万倍も優れてるのに生意気ね。
「なに、これ…」
「なにって、アンタの恋人からの手紙だろう?折角、領線の審査官なんていい男捕まえたのにねェ」
「は…」
“君は、いつも僕の家で夕食を作って待っていてくれたけど、それは職務を投げ出していた結果だったんだね.
でもそれは、教会に努めている限り許されないことだ.
君がよく、イージス領長を悪く言うのを聞いていたけど、さすがにもう耐えられないよ.
君は分かろうとしなかったね、イージス領長がどれだけ重要な存在であるかを.どれだけ僕が説得しようと.
きっと、状況が飲み込めていないだろうと思う.
それは君自身が引き起こした事だよ.
僕はもう君に何もしてあげられない.
出来ないよ.
国に帰るといい.
さようなら.”
「な、なん…」
「怒鳴ったそうじゃないか。あれだけ大勢がいるなかで。アンタ、もう住めないよ。置いとく気も無いがね」
「ど、どうしてよ!たかが仕事を辞めただけで?!あの男、権力振りかざして頭にく、」
「黙りな!」
この国に来てから順調だと思ってたのに、こんな老婆に怒られるなんて!最悪じゃない!
「ふざけないでよ!!!」
「ふざけてんのはそっちだろババア!」
「ハァ?!」
「お前らの国のダラけた君主殿とは違ぇんだよ!うちの領長は!お前、教会で働いときながら何も勉強してねぇだろ、どうやってこの国が出来たか!どうやって今まで成ったか!答えてみろ!」
「っ、な、なんで私がそんなこと覚えなきゃならないの?!仕事してやってるのに!」
「はいは〜い、そこまで」
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CURIOUS