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この三日間なにもしなかったというわけでない。プロムナードボックスに入って現場を確認したりしていた。盗聴器なども仕掛けたかったがそういうのに敏感な彼らのことだ仕掛けたところで無意味だろう。仕掛けたことが取引の中止を示唆するわけでもあるまいし。




退院の日は赤井さんが迎えに来てくれて家まで送ってくれた、この間の言い合いのこともあり気まずい空気が流れる中家に着くなり「今日はもう家からでるな、今日と言わず取引が終わるまで家から出るな。」と念を押されてしまった。




そんな簡単に言うことを聞くしょうな性格をしていたのならなにも問題はないんだとは思うが、そこは言うことをすんなり聞いているような私ではない。




取引当日、取引場であるプロムナードボックスに朝早くから張り込んでいるとそこにバーボンがやって来た。中を確認するように辺りを見回している。公安として中にいるのか、でも格好はスーツではなく黒を基調とした服だ。




「ジン、倉庫に監視カメラなどは仕掛けられていませんでした。」




ジンに連絡を取っている辺り、今日は組織としてのお仕事なのだろう。今回の取引にも参加すると言っていたし、おそらくキャンティとコルンは遠くからの銃撃に備えてここにはこない、来るのは3人。




相手方も来るのは海外事業部と銘打ってはいるもののおそらくは護衛の役割で雇った用心棒だろう。大きな取引だ、なにが起きてもおかしくはない。




狙撃は得意ではないと言ったができないわけではない。倉庫の中からジンを打つことなんて簡単でお命頂戴するには絶好のポイントに陣取っている。




夜、日付を跨いでから取引は行われとしていた。




爆弾が仕掛けられていることはわかっていた、そしてそれを組織が仕掛けたことも、そうなれば私がなすべきことはただ一つだけ。




私が潜むプロムナードボックスは闇夜に溶け込みなおのこと一層不気味に佇んでいる、車の音が聞こえる、ドアの開閉の音が聞こえる。おそらく組織の連中がここに入ってくる。用心深く何かを探しているようだ。




小太りの男が金の入ったアタッシュケースを髪の長い男に
渡している。なぜかここにバーボンがいない。




数分後、取引相手の連中が5人入ってきた。




「少し遅かったじゃねーか。」




「貴方達が本当に何も仕掛けていないかを確かめるためですよ。」




「ハッ、見据えた嘘をつくな。」




「嘘ではありませんよ、そちらこそ。早く来ているということは何かこちらに仕掛けをするためだったりしませんか?」




「物の交換ができれば何もしねーよ。」




「それは嬉しい、できれば怪我をせずに帰りたいですから。」




「ウォッカ。」




「へい。」




小太りの男が取引相手からおそらくドラックの入ったカバンを渡されている。




パリンッ




どこからか飛んできた銃弾でプロムナードボックスを唯一照らしていた灯りが壊される。何も見えはしないが同時にシャッターの動く音がする。暗視スコープを覗き、ジンの心臓めがけて鉛の弾を撃つ。




「・・・ッ。」




「兄貴!?」




「どうやらフクロウが一匹入り込んでいるらしい。」


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