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刹那、騒音とも言える音が頭上から聞こえる。まさかとは思ったがこいつらヘリを呼んでやがる。映画でも2度ほど見たことはあるがこの組織はあくまでも影に潜んで活動しているはずなのにこの大騒ぎよう。秘密の組織という自覚がないのだろうか。




ヘリはプロムナードボックスの天井を壊している、剥がれた破片やら何やらが上から降ってくる状況。雨ならもう少し綺麗な雨が良かった。飴の雨とか。




「迎えが来てしまうようでしたら仕方ない。」




「なにか、策があるというのか?」




「死なば諸共草鞋を履いて共に生きよう。」




「なに?」




「死んでしまうような状況下においても、あなたと共にいつまでも。と言う意味です。」




「何をする気だ?」




手に持った爆弾の一つをジンに見せる。これは彼らが前もってここに仕掛けておいたもので、これを一つ爆発させることができれば連鎖的に他全ての爆弾が爆発する。証拠もなくなるように全てを燃やす組織だ、この爆弾だってきっとここを消すほどの量を仕掛けてあるだろう。




「間違ったコードを抜くと爆発してしまうみたいなの。」




「・・・。」




「安心して。私、運はいい方なの。」




笑顔でコードに手をかける。どれを抜こうか迷うことはない。多くを持ちそれを引き抜けばいい。さようなら。もう、何も未練なんかないです。




瞬間シャッターの開閉音が倉庫内に響き渡る。私とジンとウォッカを足元から照らす月明かりが今は憎くて仕方がない。




「お前が言っていた髪の長い男だがな。」




「・・・。」




「       。」




ヘリの音がする、二人を回収している。今ここで爆弾を爆発させればヘリもろとも奴らに復讐できるのに。




「また会おうぜ、ギムレット。」




ヘリが飛び立って数分、FBIとCIAが私の元にきた。もちろん赤井さんも。




「誄、怪我はないか。」




「・・・。」




「組織の連中は?」




「逃げました、ヘリで。」




「まさか、ヘリまで持ち出してくるとはな。」




何を言っているんだ、ヘリを持ち出された時点ではまだ私が優勢だった。この対峙、一番の敗因になったのはあのタイミングでシャッターを開けたやつのせい。




「シャッターを開けたのはダレですか?」




「我々FBIの者だ。」




怪我を心配してくれているだろう赤井さんの差し出した手を払いのける。あれさえなければ。あれさえなければ組織の連中に。




「なんで邪魔したんですか?」



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