５
もう赤井さんと恋仲に戻ることはできないだろう、私だってこの状況で恋人だと言っている赤井さんが不思議なぐらいだ。彼は私の家族を殺した犯人で、私は彼に別れを告げた。今更やっぱりなかったことにしてくださいなと都合が良すぎる。
コーヒーに口をつけるが苦い味が口の中に広がるだけで、まるで自分自身の心の中を表しているかのようだった。
組織への作戦は失敗。本当はあの場所でジンとウォッカを巻き込んで爆発してやろうと思っていた。少量の爆薬といても重症を負わせるには十分だったし何より、あの近さでしくじる方がどうかしている。
「変に邪魔なんか入るから。」
- 133 -
＊前次＃
ページ:
ALICE+