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日が暮れるまでそこでダムを見ていた。本当に何をするわけではなくダムを見てる。ほんの少し話をするが周りが騒ぎ立てるよう彼氏彼女の話ではなく今回の朝倉都知事への脅迫状とその犯人についての話なのだからなんともカップルがするような会話ではない。
日も暮れ空が光をなさなくなってくるとなおいっそうのことその寒さは身にしみてきた。両手をすってなんとか寒さに耐えているがそれももう限界だ。
「帰りましょう、バーボン。」
「そうですね、寒さも増してきましたし。それに。」
「それに?」
「あなたに風邪を引かせたら僕が彼にあいつに怒られそうです。」
「・・・嫌味ですか?」
「いえ、誠意です。」
「随分と裏のある誠意ですね。気分が悪いです。」
「それは失礼いたしました、お詫びに今夜は優しくして差し上げます。」
「・・・そうですね、最高のサービスを期待しています。」
「お任せください。さぁ、行きましょうか。」
安室さんの車に乗っている最中、なにやらブオォォ・・・というエンジン音が聞こえてくる。
「なんか、音がしませんか?」
「音ですか?」
「なんの音だろう・・・。」
「あぁ、あれでしょう。スノーモービルです。」
スノーモービルなのはいいが、そんなものがなぜこんな時間にそんなものがこの雪山を走っているのだろうか、人が遭難した、などの理由だろうか。
「三人乗っていますね。」
「影の大きさからして子供・・・でしょうか。」
「あ・・・。」
「倒れましたね。」
あれは、コナン君と共に少年探偵団だかなんだかの三人だろうか、確か。源太、光彦、歩だったか。飛行船でそう名乗られたような気がする。
「なんであの子達が?」
「いたずらでしょう。」
「大丈夫ですかね、こんな雪山で。倒れたスノーモービルを起こすのは大人でも容易ではない。」
「放っておきましょう。」
「厳しいですね。」
「子供はあまり好きではありません。」
「ダメですよ、そんな事では。」
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