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安室透はそう言うと車を止めて彼らのところまで雪をかき分けて歩いて行った。私はというとなにが楽しくてこんな寒いとわかっている雪が降りしきる外に自らでなければならないのかと、暖房の効いた暖かい車の中で暖を取っていた。




安室さんが連れてきた三人の内、源太と光彦が二人言い争いをしていた。コナン君が宥めみたいだが、子供の喧嘩にしてはタチが悪い口喧嘩だ。




「そろそろ帰りましょうか。」




「でもこの人数、車には乗れないね。」




「私が降りましょうか?」




「誄姉ちゃん。」




「ゆっくり考えたい事もあるし。」




「それはいけません、ロッジまで距離がありますし。」




「あ、車がきた。」




ロッジに用があるという武藤岳彦の車が通りかかり、子供たちはそちらの車に乗り、私は安室さんの車に乗りロッジへ帰る事になった。






「お前ら運が良かったな、ロッジで人と会う約束してなきゃあんな時間にあんなところ通らなかった。」




「おじさん、北の沢村に住んでるんじゃないの?」




「俺はあの裏山に小屋を建てて一人で暮らしている、フクロウを掘りながらな。」






「なにを聞いているんですか?」




「ちょっと。」




「そういった行為を見過ごす事はできませんね。」




「どの口が?」




「この口ですが。うるさいようでしたら力ずくで塞いでください。」




「まだ許容範囲内です。」




「それは残念。」






「もとは村で暮らしてたんだがあの忌々しいダムのせいで沈んじまったからな。」




「ねぇ、もしかして。ダムの建設に最後まで反対してた人って。」




「あぁ、おれさ。最初は反対していた村の連中も、俺の親も結局はだ代替地の村に移り住みやがった。あんなダム糞食らえだ。」





ロッジに戻ると毛利探偵の怒号とともに子供達の謝罪の声も聞こえる。私たちはそれを遠巻きに見ていた。まさか止まっていたロッジにコナン君ご一行も宿泊しているだなんて聞いていない、これではまた事件に遭ってしまうではないか。




そもそも安室透という時点でもう事件に巻き込まれているかもしれない。いや、巻き込まれている、絶対に。




子供達の謝罪も終わりロッジの中に入るとこの北の沢村の同級生だという大人たちが惨めな言い争いをしていた。そこに集まっていたのは立原冬美、山尾渓介、氷川尚吾、遠野みずき、武藤岳彦の五人、五人が会うのは8年ぶりらしく何でも山尾渓介という男は8年前東京で暮らしていたがおばあさんが一人で住んでいた村に戻る途中、車で女性を引き、怖くなって逃げてしまった。その後警察に自首、現在服役中らしい。




山尾さんの事件がきっかけでおばあさんはとこに伏せてしまいそのまま息を引き取った。そして山尾さんが轢き殺してしまったのが遠野みずきの妹の遠野なつき、そしてさらに北の沢ダムの建設にいち早く賛成し、土地を高く売って東京に出てきたのが氷川、どうやらこの8人色々と因縁がるらしい。




会話の空気から逃げるようにコナンくんご一行が部屋に戻ろうとしたので私たちも部屋に戻ろうとすると、後ろから声が聞こえた。





「誄さん。」




「・・・。」




「少し、いいですか。」




「嫌です、行きましょう安室さん。」




「え?いんですか、沖矢さん・・・。」




「いいんです、行きましょう。」



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