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二人を仕事部屋へと案内する。
そこには大きな画面のパソコンが二台、そして少し小さなデスクトップが隣に二台設置されている。ここが私の仕事部屋。ただの大学生の私がこんな家にいつまでも住み続けられるのはこの部屋のこのパソコンたちのおかげである。
「さて、メモリーズエッグだっけ?」
「うん。」
時間にしておよそ10分。メモリーズエッグについてのページを大きなパソコンに映し出すと後ろから二人が覗いてきているのがわかった。
「クソガキそこじゃぁ身長が小さくて見えないでしょう。」
「え?」
コナンくんを抱き上げて自分の膝に座らす。
「は、蜂谷のお姉ちゃん。大丈夫だよ、下でも見えるから!」
「いいから、そこにいなさい。うろちょろされる方がかえって迷惑だわ。」
「・・・はい。」
「メモリーズエッグ、ロマノフ王朝の秘法でインペリアルイースターエッグの事ね。ロシアの皇帝が皇后への復活祭の時に贈り物として宝石細工士ファベルジェに作らせた卵、1885年から1916年にかけて50個が見つかっていて、今回その鈴木さん?の蔵で見つかった卵は51個目みたいね。」
「そんな秘法があるんですね。」
「エッグの代表的なものは1887年青の蛇時計エッグ、1901年花のバスケットエッグ、1906年スワンエッグ、1914年モザイクエッグね。怪盗キッドがなんでこれを狙ってるかはわからないけど。」
「予告状が届いてるんだから、まず間違いなくキッドは来る。」
「その予告状ってこれかな?」
毛利名探偵が警視庁に呼ばれていっているって言ってたし、おそらく今頃会議をしていると踏んで警察庁のパソコンにお邪魔しますをしてみて正解、警察庁で今現在映し出されているであろうそれと同じものを画面に映し出す。
「キッドの予告状。」
「黄昏の獅子から暁の乙女へ 秒針のない時計が12番目の文字を刻む時 光る天の楼閣からメモリーズエッグをいただきに参上する、世紀末の魔術師怪盗キッド。ですか。」
「キザな予告状ね。キッドって毎回こんな感じなの?」
「だいたい、こんな感じかな。」
うわぁ、怪盗キッドに盗まれた宝石って152点って。宝石盗んでいるんでしょう?お幾ら万円するのよ。考えただけでも恐ろしい。
ピピピピピ
なんてくだらない事を考えていたらコナンくんの携帯が鳴ったようで、着信先をみながら急いで部屋を出て行った。
「何でしょうね?」
「彼女さんなんじゃないですか?」
「コナンくんに彼女ですか。」
「理屈で押してきそうな彼氏を持って、彼女さんも大変そう。」
「ははは。」
どうやら毛利蘭ちゃんからの電話だったようで、コナンくんは「明日大阪に行くことになったと」と言いそそくさと帰って行った。
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