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その話を赤井さんにしている最中赤井さんは何度ため息をついたことだろう。そりゃそうだ、自分で言うのもなんだが恋人が命を狙われているにも関わらずそのことを知らず、さらには他の男性と一つ屋根の下で暮らしているのだから。




「し、心中お察しします。」




「お前はお前が思っているほど俺の心中を察せていない。」




「だって、赤井さんもほら、組織に狙われていますし。」




「お前を守るためならなんだってする。」




「でもほら、大丈夫ですよ。」




「何が大丈夫なんだ。」




「今の所、生きていますから。」




「そういうことではない。」




「とりあえず帰りますね。」




「帰るな、ここにいろ。」




「帰りますって、安室さんが帰ってこないことを不審に思って動き回っているかもしれないんですから。」




「動き回らせておけ、そういうのが好きなんだ彼は。」




絶対違うと思うが赤井さんの完璧なホールドの前では身動きなんてとれるわけでもなく、さらにはこの男私の背中をポンポン叩いてあやすもんだから眠たさはピークになり結局は赤井さんの腕のなかでスヤスヤと眠りについてしまった。





次の日の朝。




「起きたか?」




「・・・あれ?」




私の前には赤井さんが沖矢さんにならず赤井さんのままで優雅にコーヒーを飲んでいた。まぁ、部屋にあったものなのだが。




「沖矢さんにならなくていいんですか?」




「起きたら俺ではなく沖矢がいたら、嫌だろう?」




「・・・おはようございます赤井さん。」




「あぁ、おはよう誄。」




時計を見ると8時をとっくに過ぎていてどんだて気を抜いて寝てしまってたんだと自分を叱咤しながら赤井さんに昨日のお礼と謝罪をいれ、新しい携帯の番号を勝手に登録されて急いで安室さんの部屋に戻った。


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