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雪合戦に参加している沖矢さんを見ていると自然に笑みがこぼれてくる、だって考えてもみてほしい。子供たちと楽しそう・・・に雪で遊んでいるのはあのFBI捜査官である赤井秀一なのである。あの赤井秀一が雪合戦をしている光景がなんだかとても面白くて何回味噌汁を吹きそうになったことか。
雪合戦をしている最中何やら外が違った意味で騒がしくなったので様子をみに行ってみると、どうやら事故の影響で長年目を覚まさなかった少年が8年ぶりに目を覚ましたらしい。だが実際問題記憶は意識を失っていた8年分がすっぽりと抜けてしまっていて、体は15歳だが心のなかはまだ7歳の小学校一年生であるようだ。
コナン君とは逆の立場だ。コナン君は記憶はそのまま体だけが小さくなってしまっている、しかし彼は、記憶は8年前だけれども体はその8年後を生きている。個人的にどちらが良いと言われれば前者だろう。コナン君のような立場に自分自身がなったとして、記憶があるのだからなんとかなることは多い。だがしかし、後者の彼のように記憶長いのであれば自分の身を守る術も持たずに荒野に一人置き去りにされてしまったようなものだ。
「どっちが幸せなんだろう。」
「何がですか?」
「いや、なんでもないです。」
記憶を失っている少年の名前は立原冬馬、北丿沢診療所の看護師である立原冬美の息子である。彼が記憶を失ってしまった事件の経緯は。彼自身しか知らないのだがその時の記憶が曖昧で覚えていないらしい。だが詳しく話を聞くにロッジにいた同級生5人組の一人山尾さんのひき逃げ事件の日に立原冬馬君も事故にあっているらしい。コナン君はどうやらそこが引っかかるようで先ほどから指を口に当て考えるようなそぶりを見せている。
かくいう私もなぜ二つの事件が同じ日に起きたのか、これに疑問を投げかけたい。元町民の話では立原冬馬君はその日白鳥を見に行くために双眼鏡を首からかけて出かけているらしい。双眼鏡で白鳥を探していたため足場の崖に気づかずに転落してしまった。というのが元町民の語る事件である。
だがしかし、本当にそうだろうか。双眼鏡を掛けていたからといって必ずしも白鳥を見に行ったとは限らない。もっと他のものを見に行ったのではないか。そもそも、立原冬馬君は本当に白鳥を見に行っているのか?
「考え事ですか?」
「安室さん。」
「冬馬君の件、僕も少しですが引っかかります。」
「山尾さんの事件と同じ日というのも引っかかりますね。」
「しかし、あなたはよく事件に巻き込まれますね。」
「・・・は?」
「この間の海上娯楽施設の時もそうでしたし。大丈夫ですか?」
「事件を持ってきているのはむしろあなたの方だと思っています。」
「僕は探偵ですから、事件のあるところに探偵ありですよ。」
「手に負えません。」
スノートレッキングに行ったコナン君たちは置いておいて、安室透と私は再び部屋に戻り事件の推理をしていた。山尾さんが起こした事件は調べれば簡単にわかるような事件の内容だった。
「電話は終わりましたか?」
「はい。お待たせしてすみません。」
「誰と、だったかは聞いてもいいですか?」
「私の関係者なので、個人情報なのでなんともですが、きっととても有名になる方ですよ。」
「それは、楽しみです。話を戻しましょう、山尾さんの事件で何かわかりましたか?」
「山尾さんが事件を起こした近々で東京の宝石店に強盗が入っていますね。」
「強盗ですか?」
「今回の事件と関係がないような気もしますが。」
「事件の内容は?」
「8年前の15日午後11時頃東京都新宿区の美鈴宝石店で強盗があり時価10億円の宝石類を盗んだ事件ですね、押し入った強盗に社長の美鈴英子さんは殺害されています。」
「どうしてこの事件が今回の事件に関係していると?」
「氷川さんがロッジでみんなに見せていた新聞記事、覚えていますか?」
「山尾さんの事件の記事でしたっけ?」
「そうです。みんなに見せたい記事のはずなのに。どうして山折にしていなかったんでしょう。」
あの時氷川さんが手帳から取り出した新聞記事には山尾さんのひき逃げの事件のことが記されていた。それをみんなに見せるために手帳から四つ折りにした新聞記事を取り出していたが、普通見せたい部分は山折にして汚れなどがつかないようにしておくはずである。
どうしてか氷川さんはそうしなかった。それはなぜか。
「他に見せたい記事があったから。」
「そうです。氷川さんの持っていた新聞記事はおそらくこれです。」
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