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江戸川コナンサイド
俺を宙に上げた誄姉ちゃんは俺の目の前で雪崩に飲み込まれていった。なんだよ、やっと昴さん、赤井さんと仲直りしたってのに、なんで。
空に上げられたのが救いだったのか自力で上がれるぐらいの埋まり方だった俺は雪から這い出て誄姉ちゃんを探した。巻き込まれ方は違うが同じような場所で巻き込まれてんだ、きっとこの辺りにいる。頼む、見つかってくれ。
「コナン君!無事?!」
「誄姉ちゃんが雪崩に!」
「・・・早く探すんだ!」
沖矢さんが声を張り上げているのを初めて見たかもしれない。そりゃそうだよな、だって赤井さんだってあんまり大きな声では話さねーし。そんだけ声を張り上げるぐらい大事な人が今・・・。
「クソッ、誄ねえちゃーーーん。」
「コナン君、誄さんは!?」
「安室さん、まだ雪の中だ!」
「雪崩が起きてから何分経った?」
「もう12分。」
「・・・誄さん。」
みんなが必死になって探しているのがわかる、だって俺だって必死だから。なのになんで見つからないんだ。
「電話だ、安室さん誄姉ちゃんの携帯に!」
「あぁ、今かける。」
「みんな静かにしろ!」
一斉に辺りから声が止んで、安室さんのかける携帯の音だけがその場で音を出している。しかしそれに答える音はどこからも聞こえてこない。
「クソッ、だめか。」
「誄お姉ちゃん、もう会えないの?」
「そんな。」
「冗談だろ。」
「会えないわけねーだろ。」
「コナン君。」
「何としても探し出すんだ、誄姉ちゃんは雪の重さで身動きが取れなくなってる。俺たちが見つけないと。」
「そうです!絶対に諦めちゃだめです!」
「何としても、探し出すぞ!」
子供の声が人の耳には一番通る、それは声が高いから。今は今だけはこの体でいることに感謝しつつどうか少年探偵団の声が、安室さんの声が、昴さんの声が誄姉ちゃんに届くよう、名前を呼び、雪をかき続けるしかなかった。
「そうだ!電話!」
「コナン君、誄さんの電話はさっきからかけてるけどでないんだ。」
「違う、仕事用じゃなくて、プライベートの携帯にかければ!」
「僕その番号、わかりませんよ!」
「沖矢さん!」
「今かける!」
頼む鳴ってくれ。
祈るような思いで沖矢さんの握る携帯を見る、再びあたりが静寂に包まれた時、沖矢さんの携帯に答えるように携帯の着信音が鳴った。
『仮〜面ヤイバ〜、仮〜面ヤイバ〜、ヤイバ〜ヤイバ〜』
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