灰原ちゃんとの会話に花を咲かせていると、他の子供達三人がある女性を連れてここにやってきた。それはまごう事なき私が探していた人物で、今回の重要人物の彼女であった。やっぱり水族館にいたか、女の勘ってあたるのね。




「誄お姉さん、なにやってるのこんなところで。」




「ちょっとね、仕事。」




「お仕事という事は、なにか探し物ですか?」




「そんなところ。」




「じゃぁ、俺たちが手伝ってあげるぜ!」




「でも、お姉さんの記憶を探すのが先だよ。」




「でもよ〜。」




「あぁ、私の事は気にしないで、もう済んだから。」




そう言うと子供達は博士に呼ばれて観覧車の方へ彼女を連れて行ってしまった。どうやら彼女は記憶喪失らしい、それはそうだろうあんな高いところから落ちたのだから怪我一つしていません、問題ありませんでは済まないはずである。それにしても。




「マジかよ。」




「何が?」




「いや、こっちの話。」




赤井さんにお土産を買って帰るからばいばいとその場と立ち去って数十分から1時間あたりが過ぎたぐらいだろうか、どうやら観覧車で誰かが飛び降りを決行したようで騒がしい。人だからりをかき分けてその場に行ってみるとどうやら観覧車から飛び降りを決め込んだのはあの悪ガキ3人組のうちの一人でそれを彼女が助けたようだ。




「やっぱり。」




すぐに携帯を取り出して電話をする。




「はい。」




「発見しましたよ。」




「本当か。」




「えぇ、でもそちらは大丈夫ですか?」




「少しまずい事になっているが問題はない。」




「了解です。」




電話を切り彼女の方をみる飛び降りを決めた源太とそれに蹴られた博士が医務室へと移動している最中だった。




「うおぉ、なんだ寒気がする。」




なんだこの妙な寒気は、きっと誰かが私の事を噂しているんだろう。だれだ、噂なんかしているのは。


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