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翌日、日付が変わってから寝たため現在の時刻はお昼に近い。モーニングがブランチになってしまうぐらいの時間だ。
この世界で今自分が置かれている状況と、周りを取り巻く環境・人物について考えてみた。
今は映画の話が着々と進んでいる、でも私の世界ではこの映画の話の時に沖矢昴、赤井秀一、安室透はでてこない。影も形も。もしかしたら赤井秀一さんは物語状でてきていたのかもれないが映画に関わるような重要人物の位置づけにはなっていなかったはずだ。
もしこの話に赤井秀一が関わるのだとしたらどのような関わり方をするのだろうか。狙撃が得意だし、怪盗キッドを狙うだろうか。それともコナンくんと一緒に行動をしているのだろうか。
だが、赤井秀一は宮野明美の元恋人であって組織の一員だったシェリー、灰原哀ちゃんにかおが知られているはず、迂闊に近づくことはしないだろう。
でも、勝手に動きそう。
居場所だけでも確認して、お家で大人しくしていなさいと言わないと。そう思い携帯電話に赤井秀一に貰った紙に書いてある番号を押していった。
「蜂谷か?」
「はい、今お電話大丈夫でしょうか?」
「あぁ、今日の夕方そっちに行こうかと思っていたから手間が省けた。」
「はい?」
「俺の仕事が終わり次第大阪に行く、準備をしておけ。」
「な、なんで私まで。」
「どうせ、暇を持て余しているのだろう?」
むかつく。
「仕事が終わり次第また連絡する。」
手に持った電話からは悲しきかな通話の切れた音がしている、どうやらこの赤井秀一という男は家で大人しくしていてくれるような人物ではなかったようで。さらには問答無用で周りを巻き込んでいく全くもって迷惑な人物であった。
これほどまでに夜が来なければいいと願ったことはない。仕事をしていると早く時間が経って欲しいと願うことは多かれど、私が今置かれている状況は正反対である。約30分前赤井秀一の変装した沖矢昴さんから連絡があった「3、40分でそちらに向かいます。」お願いだからこちらではなくてあちらへ行って欲しい。
元いた世界ではオタクだった私にとって漫画の中に入り登場人物たちと日々を過ごせるという特権は喉から手が出るほど欲しい。だがそれは日常をゆっくりと描いた学園漫画であったり、汗と涙が交差する熱血スポーツ漫画の話であって、決してこのような推理系漫画ではない。はっきり言って頭の中が爆発しそうである。
悶々と考えているうちに時間は過ぎていき、私は確固たる決意の元腹を括って立ち上がった。沖矢昴さんは変装しているとはいえFBI捜査官の赤井秀一なのである。組織に潜入し、生きて帰ってきた赤井秀一であって。同じくFBI捜査官として働くなんちゃら捜査官だったり宮野明美だったり、堅物に見えて次々と女を落としていった赤井秀一なのである。私のような小娘の命を守るようなこときっと造作もないことだろう。大丈夫。赤井さんから離れなければきっとここに帰って来れる。よし!
ピーンポーン
「蜂谷さーん、沖矢です。迎えに来ましたぁ。」
ちょっと、無理かも。
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