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「ですが、なんでそんな。」




「結構前から誰かに後をつけられているような気はしていました。今日だって寒気とかしましたし。」




「ボウヤから聞いた話だと、今日は薬を持つのを忘れて出たようだな。」




「ははは、家のカバンの中です。」




今日に限って薬を忘れたのはわざとではない。自分が命を狙われているにも関わらずその命綱を忘れるなんてあってたまるか。あの場にあの二人がいて本当に助かった。




「なぜ、僕に言ってくれないんですか?」




「だって、言う暇なかったですし。」




「電話でもなんでもすればよかったじゃないですか。」




「盗聴されてるかもしれませんし。」




「誄さん、貴方って人は。」




ガクッと頭を垂れる安室さんにクスクスと笑いながら赤井さんの後ろから出てくると、思いのほかの強風で体が飛ばされそうになる。




「大丈夫か。」




「ありがとうございます。」




吹き飛ばされそうな体は赤井さんに支えてもらい。話の続きをするために赤井さんに捕まりながら安室さんの方を向く。




「でも、そのおかげで組織を欺けましたし。よかったじゃないですか。」




「僕をこんな気持ちにさせておいてですか?」




「許してやれ安室くん、誄は言わなかったのではなく。言うのを忘れていたんだ。」




「赤井さん、それフォローになってないです。」




「忘れていた?」




「わ、忘れてないですよ。秘密の作戦だったんです。」




「本当に、貴方って人は。」


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