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私はこの話を知っている。見に行ったことがある。覚えている。だが肝心なところがすっぽりと抜けている、いや。抜かれていると言った方が正しいのだろうか。知っているはずなのだ、なぜなら私が唯一見たいと言って友達を連れ回して見た話なのだから。なのになぜ肝心なところが思い出せない。




思い出そうとするも、体に残っている薬がまだ頑張ってその役目を果たそうとしているのか意識が朦朧とする。両手で勢い良く自分の頬を叩く。




ッパン!




「誄さん?」




「・・・飛行機、砲弾、クレーンゲーム、爆弾、観覧車、キュラソー。」




「大丈夫ですか?」




「安室さん、この場をお願いします。」




「え?あなたもですか!」




安室さんの声も虚しく観覧車内部に残るだけ、私は彼の言う「どいうもこいつも」の中に入っているのだろう。いや、今入った。入会おめでとう私。




観覧車の中のキュラソーを奪還するために組織がしてきたことはなんだ。それは飛行機だか飛行船だか、ヘリコプターだかなんだかの乗り物でさながらクレーンゲームのようにキュラソーの乗っているゴンドラを持ち上げようとする。




頼む、間に合って。




早く、このことをコナンくんに伝えなければ。




突如あたりが暗くなり、あたり一帯が闇に包まれ始めた。それは館内全域に及び、組織の行動開始の合図を示している。




「間に合わなかったか。」




こうなってしまうと、いや。こういう立場にいるともはや私が情報屋云々の話ではなくなってくる。もとはと言えば私の仕事は安全な場所で行うものでこう言った体を動かす系はあの三人の仕事だっていうのに。




「まったく、今度こそ死んじゃうぞ。」


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