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私は一般人の体なのだ。観覧車なんかに銃弾を打ち込まれてみろ、ひとたまりもないんだからな。
おそらく観覧車のてっぺんに登って行ったコナンくんを追いかけて私も観覧車を登っていく。途中足がもつれて何度か転んだ。きっと痣ができるだろう。年取って治りが遅くなっているんだけど・・・。
「コナンくーーん!」
「お姉ちゃん、どうしてここに、安室さんと一緒にいてって赤井さんが。」
「それよりも、組織は空からゴンドラごとキュラソーを奪還する気だ。」
「なんだって。」
ゴンドラには公安の捜査官も一緒に乗っているはず。このままさらわれては彼の命までも危ない。
「早くゴンドラに。」
「うん。」
ゴンドラの中には公安の捜査官しかいなかった。どういうことだ、記憶が戻ったのならなぜキュラソーはゴンドラにいない。逃げたということだろうか。組織から。
「風見さん!」
ゴンドラの中では意識を失っている風見さんだけがいた。
それがどういうことを意味するかわからない彼女ではないはず。組織に逆らう、組織から抜けるということは自身の命をなげうつことと同意だ。まぁ、組織から抜けて生きている人を私は知ってはいるが。そう簡単なことではないはず。
組織のキュラソー奪還が始まる。空から伸ばされたアームはまるでクレーンゲームのように私たちが乗るゴンドラを掴み無理やりその大きな土台からそれだけを剥がしていく。揺れに耐え切れず転がり、景色を見るために用意された椅子に頭をぶつける。
「痛っ。」
お求めの彼女が乗っていないことに気がついたのか組織は掴んでいたそれを離した。まるで「乗ってないんじゃ、いらないや〜。」という感じだ。嘘だろ、組織の皆さん。掴んで持ち上げたからにはなんかもっとこう、ゆっくりとおろしてあげようとか思わないわけ?
捨てられたゴンドラは真っ逆さまに下へと落ちていく。途中色々なものにぶつかりゴンドラが揺れて、その捨てられたゴンドラのようにその内部で色々なところに身体中をぶつける。
観覧車の上から半分ぐらいまで落ちたとこだろうか。落ちていく勢いが止まり、どうやらもうこれ以上落ちることはないだろう。
「誄姉ちゃん、起きて!」
「起きてる、身体中が痛い。」
「おじさんが、早くしないとゴンドラに!」
「っ!」
ゴンドラから放り出された風見さんはその体をゴンドラの一直線上に倒している。体制が斜めのままのゴンドラは風見さんに向かって移動し始めていた。痛む体を動かし。風見さんのところへ向かう。
「重たいなぁ、もうちょっと痩せなさいよ。」
間一髪のところで風見さんの体をゴンドラの進行方向からよかすことができた。これでしばらくはここに置いておいても大丈夫だろう。本当に重たかった。
「ありがとう、お姉ちゃん。」
「いいって、それにしても。あそこでゴンドラを離すなんてあいつら何考えてんだろうね。」
「本当に、その通りだよ。全員無事でよかった。」
「んで、どうする?ここにいればしばらくは安全だけど。」
「そう言ってられないみたい。」
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