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{emj_ip_0294}*降矢零サイド
サッカーボールがどんどん大きくなって車軸が爆破され支えるものが無くなり転がっていく観覧車を止めたのが見える。コナンくんといい、彼女といい。その身を危険にさらすことを恐れず投げ出してしまうなんて。
「なんて子たちだ。」
残された観覧車から降りる途中に見たものはその代償の大きさと。一度俺が殺してしまった彼女の体だった。
力なくうなだれている彼女の体を抱き起こすが、あの時ほどではないが体温が感じられない。意識を失った人間の体は重いと聞くが彼女はなぜこんなにも軽いのだろうか。これが、彼女の命の重みなのだとしたら。
「クソッ、今度こそあなたを死なせません。」
園内を出て車に彼女を乗せるために走っていると木の陰から彼が姿を現した。
「彼女はこちらに返してもらおう。」
「・・・嫌です。彼女は我々のものだ。」
「薬がまだ抜け切れていないのだろう。」
「薬・・・仮死状態にするというアレですか?」
俺が倉庫で彼女を打った時彼女が飲んでいたという薬がまだ体の中に残っているという。本当ならば、薬が残って意識が朦朧とする中、体を動かすのは危険な行為で体内に残っているそれがまたその効力を出し始めてしまうのだという。
「わかりました。今回はあなたに彼女を渡しましょう。」
悔しいことではあるが、今我々が彼女を連れて帰るより薬の効力がわかってる彼に託す方が彼女の安全はより保障される。
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