フィッツベルグの花嫁、簡単に内容を説明するとかの高貴なフィッツベルグ家の長女マリア・フィッツベルグとその妹カナエ・フィッツベルグはお見合いで結婚相手を探すことになった。名前でもわかる通りマリアの妹のカナエは日本人名である。それは父ジョグ・フィッツベルグが結婚相手に選んだ人が日本人であったからだ。作中に彼女の名前は出てこないが日本人ならでわの幼さの残る顔立ちもあってか、カナエ・フィッツベルグの方が姉マリア・フィッツベルグよりも何倍もモテた。それに嫉妬したマリアはある日妹の髪を全て切ってやろうと彼女の寝室に向かう、いざハサミを入れようと彼女の髪を握りしめた瞬間、握りしめた髪が束になってベッドから落ちていった。そう、カナエ・フィッツベルグは末期の癌に侵されていてそう長くは生きられなかった。それを知ったマリアは見合いを全て取りやめ、妹のためその生涯を捧げた。




という話。これは映画化もされていて私も見に行ったことがある。




「それは、人にオススメするような作品なのでしょうか?」




「面白いといったら失礼になりますが、作中の妹に嫉妬心を抱く姉の心境がすごくリアルで背筋が凍ります。」




「女性は怖いですね。」




「・・・。」




「なんでしょう?」




「沖矢さんがいうとなんだか生々しいですね。」




「否定はしません。」




「その話は実話らしいですよ。」




「ほー、ミジェの実話ですか。」




「いえ、ミジェの娘の。」




「ということは、ミジェは日本人なのですか?」




「えぇ、外国では発音しにくいミズエという名前だったからミジェと名乗っていたらしいです。まぁ、書いたのはミジェの長女なんですけどね。母親の名前を借りてペンネームにしたそうです。」




そんな話をしていると沖矢さんはパーキングに入っていった。車を駐車し外に出る。ほんの数時間車内にいただけなのに外の空気がとても新鮮に感じる。




「コーヒーでも買って少し休憩しましょう。」




「では、一服行ってきてもいいですか?」




「タバコ、吸うんですか?」




「本数は吸いませんが、なんだか吸いたい気分なので。」




「そういうことならご一緒します。」


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