日もどっぷり暮れて、パーキングエリアで沖矢さんと二人でタバコを吸っているシュールな風景。今頃キッドが現れているだろう。「黄昏の獅子から暁の乙女へ」「秒針のない時計が12番目の文字を刻む時」これは「黄昏の獅子」から数えて12番目の文字を指す。そうキッドが現れるのは7時20分。今は7時15分くらいだから、きっと光る天の楼閣から「レディースアンドジェントルメン」と高らかに叫んでいることだろう。ちょっと、いや、だいぶ痛い子だな。間近で見たかったけど。




「タバコ、いつから吸われているんですか?」




「それは、どちらでですか?」




「どちらでも。」




「前にいたところでは仕事を始めてからですね、意外と書類整理の仕事も多くて息抜きに同僚に誘われて吸い始めました。こっちに来てからは20歳になってすぐに。」




「そうですか。車でも吸っていいですよ。」




「人の車では吸わないですよ。匂いが混ざってしまうにで。」




「そうですか。」




「それに。私、結構沖矢さん、赤井さんが吸っているタバコの匂い好きですから。ショー{emj_ip_0857}*ホープですよね。」




「えぇ。あの苦味が好きで。」




「じゃぁ、結構勢いよく吸っているんですね。」




「?」




「ショー{emj_ip_0857}*ホープは優しく吸うと甘い味わいいなるそうです、逆に少し雑に吸うと苦い味わいだって。」




「随分と詳しいんですね、どなたかに聞いたんですか?」




「私の、初恋の人です。」




「・・・そうですか。そろそろ行きましょうか?」




「そうですね。」




再び車に乗り込んで車を走らせる。車内でタバコを吸う沖矢さんは「ゆっくり吸うと甘いです。」と言いながら苦そうな顔をしながらタバコを吸っていた。




途中パーキングエリアなどで何回か休憩をとりながら翌朝7時に大阪に着いた私たちの元にコナンくんから電話がかかってきた。




「はい。」




「蜂谷のお姉ちゃん、僕だよ。江戸川コナン。」




「どうかしたの?」




「蜂谷のお姉ちゃんに調べて欲しいことがあるんだけど、今日って忙しい?」




「いや、忙しくはないけど。」

「どうかしたの?」

「今出先にいるから、パソコンが一台しかないの、調べるのにも時間がかかっちゃうんだけど。」




「全然大丈夫だよ。ところで、出先ってどこにいるの?」




「大阪。」


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