彼の自殺のニュースを知ったのはそれからすぐだった。彼が自殺した原因はなんなのか知る由もない私は、何度も録画したニュースを見ては何かヒントがないかを探している。




「Boy wonder Hiroki Sawada at the tender age of 10. Is a graduate student at Massachusetts Institute of Technology His development of the method of tracking persons ancetros…」




天才少年サワダ*ヒロキくんは10歳ながら、マサチューセッツ工科大学に通う大学生です。皮膚や血液のデータからその人間の先祖を突き止めることもできる「DNA探査プログラム」を開発して渡したしを驚かせたのは記憶に新しいところですが、現在ヒロキくんは一年で人間の5歳分せ移調するという人工知能の開発を手がけています。これを全面的にバックアップしているのはIT産業界の大手シンドラー*カンパニーのトマス*シンドラ・・・




「なんで、消すんですか。」




「今何時だと思っている。」




「まだ12時回ったところですよ。」




「もう寝るぞ。」




「まだやることがあるので寝れません。」




「この間話をしていたものか?」




パソコンをいじる私の後ろで呑気に酒を飲んでいるのはFBI捜査官の赤井秀一である、彼とは今同じ屋根の下で暮らしている。これには深い理由がある。




黒の組織と対峙をしてなぜだか私だけ足を骨折する怪我を負い、私よりもどんちゃんやっていた江戸川コナン、赤井秀一、降谷零の3人に悪態をついている私に向かって赤井さんが言った一言がこんなにも早く実現してしまうなんて誰も考えていなかっただろう。




一緒に暮らそう宣言から三日も立たず新居の案を提示してきた赤井さんに向かって私は引っ越す気がないと告げると普段下がりまくっている口角が少しだけ上がったのを私は見逃さなかった。「私の家に来ますか?」これは私から自発的に言ったのではなくきっと言わされたのではないかと思う、誘導尋問だ。




まぁ、赤井さんが私の家に来るなんて何度もあったし。それが毎日になっただけなんて思って赤井さんの引越し日、彼の荷物の少なさに驚愕することになる。彼の荷物はなんと段ボール2箱。中身は服とか後少量の本。これで生活していたとか嘘だろう。




「どうですかね?」




「今度の式典、呼ばれているのだろう?」




「私が呼ばれるなんて思っても見なかったです。」




「あれを体験するのは高校生以下だけだと聞いたが。」




「貰ってしまいましたからね、参加者の証。楽しんできますよ。」




「十分に注意を怠るなよ。」




「たかが式典なんですから、何も起きませんよ。赤井さんは沖矢昴として行くんでしたっけ?」




「あぁ、彼も呼ばれてしまったからな。致し方ない。」




「会場でお会いするのを楽しみにしています。」




瞬間シャッター音が聞こえて振り返ると携帯を片手に何やら不敵な笑みを浮かべている赤井さんが目に入り、30歳を過ぎた大人がないをやっているだと言いたくなる一方、私だって赤井さんの写真が欲しいのになんで勝手に私の写真撮っているのだと半ば強制的に赤井さんに向けた携帯のカメラのシャッターを切る。




「おい。」




「赤井さんだって撮ったじゃないですか。お互い様です。」




「これはジョディに頼まれて。」




「なんでジョディさんが私の写真を欲しがるんですか。」




「同僚に自慢をするんだそうだ。」




「・・・ちょっと、待ってください。その写真送るんですか?」




「あぁ。」




「だめ!だめです!ジョディさんに送るならしっかりメイクするので待っててください。そんなすっぴん送らないでください!」




「いつもと変わらないだろう。」




「非道!メイクした顔も、すっぴんも変わらないっていうんですか!」




「送ったぞ。」




「まじかよ!!!」



- 189 -

*前次#


ページ:



ALICE+