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彼女が出した図面は今話題真っ只中のメモリーズエッグのものだった。図面は真ん中がなく両端だけだと言っていたが、少しおかしい。




「これ、一個の卵というよりは二個の卵の図面じゃないですか?」




「蜂谷さん、どういう意味ですか。」




「上下の図面にある卵の外枠を引っ張ってみるとわかると思うんだけど。」




「ほー、輪郭が合いませんね。」




「と言うことは、もともとは一つの大きな紙に2個書かれていたのが真ん中の絵がごっそりなくなっているんだよ。」




何やらエッグをいじっているなぁとコナンくんを横目に見ているとコナンくんがメモリーズエッグの底のガラスを外すという大胆かつ巧妙な手口で、8億円の値がつくメモリーズエッグを壊していた。




「鏡がついてたけど、取れちゃった。」




「コナンくん!」




「あぁ、大丈夫。あの鏡簡単の外れるようになってんの。」




簡単に外れる鏡ってどうなんだろう。腐っても皇后の復活祭の贈り物であるのにそうも簡単に外れるような細工がしてあるものなのだろうか。それとも、外れなければ行けない理由でも。




外れてしまった魔境をまだいじっているコナン君が何やら鏡に細工がしてあるのに気がついたらしい。「光をあてると何か見えるかもしれませんね。」と沖矢さんの助言の元、外れてしまった鏡に光をあてると見えたのは香坂家の所有するお城だった。




2個の卵は香坂夏実さんのひいお爺さんが作成したものでロシア革命後日本へ来るときに2個の卵を持って日本へ来た。そして2個目の卵についている宝石を幾つか売り、横須賀にお城を建てて2個目のエッグを隠した。というのが毛利探偵の見解らしい。




それについては私も同じ考えである。




香坂夏実さんのご好意で鈴木家族・目暮警部・高木刑事を除く全員が東京に到着後、横須賀にあるお城に行くことになった。ということは私も沖矢さんも一緒に行くらしい。


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