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赤井さんのジッポの明かりを頼りに洞窟の中を進む。途中上から落ちてくる水滴やコウモリの音に驚いていると赤井さんが苦笑しながら手を差し出してくれたが笑顔で遠慮した。しかしこうも狭まったようなところは得意ではない。遠慮がちに赤井さんの上着に手をかけると、まるで気にも留めていないような顔でまた再び歩き出した。



「そういえば、安室さんにあった後部屋に戻って調べたんですけど。赤井さんは、ラスプーチンって知ってますか?」



「ラスプーチンか、名前を聞いた事があるぐらいだな。」



「ラスプーチンは皇帝一家に取り入ってロマノフ王朝を滅亡の原因を作った男と言われているらしいんです。一時憲政を欲しいままにしていたらしいですが最後は皇帝の親戚筋に当たる侯爵に射殺されたそうです。」



「ほー。」



「川から発見された彼の遺体は頭蓋骨が陥没し、片方の目がごっそりなかったらしいです。」



「まるで、今回の事件と同じ殺され方だな。」



「私の思い過ごしならいんですが、一つ気になる事があるんです。」



「なんだ?」



「ロマノフ王朝研究家の浦思青蘭さんの中国語読みって。」



「プースチンラン・・・まさか。」



そう、浦思青蘭さんの名前を中国語読みして入れ替えるとラスプーチンになる。これは私のポンコツ脳みそが覚えていた数少ない情報。もちろんパソコンで調べたなんて嘘。だが、赤井さんと今問題のお城に入るわけだし。私たちが地下にいるという事はおそらくコナン君たちもなんらかの形でこの洞窟に足を踏み入れているだろう。



突然地響きとともに地面が大きく揺れた。


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