赤井秀一・江戸川コナン・主人公編


赤井秀一・江戸川コナン・主人公編

☆オリキャラが登場します。
☆今後もオリキャラが登場します。





「え?ご褒美?」




「うん、メモリーズエッグの事を調べてもらう時に言ってたでしょ?」




「あぁ、忘れてた。」




「赤井さんが、ご褒美は何がいいか聞いてくれって。」




「えっと、じゃぁ。」







事件解決から約一週間後。そんな電話がかかってきてどうしようかと考えたが本を買ってもらうのもなんとも、と思うところもあり三人で食事に行く事になった。




「Bar Grand、お姉さんが言ってたお店ってここ?」




「そう、階段降りるから気をつけてね。」




「はーい。」




商店街から少し過ぎたちょっと薄暗い路地の中、建物の地下にそのお店がある。夜はバーをやっているが実はお昼はランチ営業をしている穴場中の穴場のお店。赤井さんは仕事があるから少し遅れるとの事で、だったら日にちをずらそうと提案したものの、この日以外は忙しくて食事に行っている時間もないとの事。忙しいならまた今度でいいのに。




なので私はコナンくんと二人で先にお店に来る事にした。赤井さんにはお店の名前と地図を送っているし大丈夫だろう、いい大人なのだから迷子になる事はないと思う。






カランカラン






来店を告げる音がすると、中から綺麗な格好をした店員が出てきた。




「いらっしゃい、あら誄ちゃんじゃない。」




「久しぶりだな、ジョグ。」




「本当よ、全然お店に来てくれないからどうしたのかと思ったわ。」




「色々忙しくて、これからは顔を出すって。」




「もー、ママも寂しがっていたわよ。」




「何回か連絡はもらってたんだけどね。」




「私も連絡したわよ。」




「知ってる、ちゃんとメール返したろ?」




「連絡くれるから、生きてるって思ってはいたけど・・・」




「こ、こんにちは。お姉さん。」




「あら、やだ!誄ちゃんあなた子供出来たの?」




「違う。」




「もー、そうなら言ってくれればいいのに。子育てがあるなら大変よね。ママ!ちょっとママ!」




小綺麗な格好をしている彼はジョグと言って歴とした男性である。いわゆるオカマというやつで本人は「両生類と言って頂戴!」とよく叫んでいる。そこはニューハーフだろうと突っ込むのはNG行動であるからよくよく注意をした方がいい。




ジョグがお店のママのところに血相を変えて行ってしまったのでコナンくんと一緒にカウンターに腰掛けようとしたが、コナンくんがあまりにも小さくカウンターの上が見にくいというので仕方がなくテーブルに腰掛けた。ざまぁ。




「ジョグさんって、お姉さんのお友達?」




「そう、かな?」




「ちょっとボウヤ私をそう呼ぶのはやめて頂戴!」




テーブルにグラスに入った水とメニューを持ってきたジョグがものすごい剣幕でコナンくんに行っている。大人気ない。




「ごめんなさい。」




「私の事はジェイグお姉さんって呼んでね。」




「はーい。」




「ジョグ。」




「なぁに、誄ちゃん。」




「もう一人男性がここに来るから、お店に来たらこの席に案内してほしい。」




「わかったわ、注文はその人が来てからにしたほうがいいかしら?」




「そうだな、先に飲み物を。私はアイスカフェオレでコナンくんは。」




「僕はアイスコーヒー!」




「はい、ただいまお持ちいたします。」




ジョグが席を離れたのを見てコナンくんに小さく「ごめんね、悪い人じゃないんだ。」と言えば「気にしてないから大丈夫だよ。」と返される。事件を解くときと普段と比べたらなんていい子なんだこの子は。とても小学生には見えない、まぁ実際は高校生なのだけれど。




コナンくんと事件の事について少し話をしていると再びお店に来客を告げる音がなった。きっと赤井さんだろう。コナンくんと席で赤井さんを待っているが一向に彼は現れない。コナンくんも「さっきお店に誰か入ってきてたよね?」と言っているし、ジョグの声も聞こえたから来客だとは思うのだが。




コナンくんと二人で様子を伺うために席をたつと、そこにはジョグと楽しそうに話す赤井さんの姿があった。




「じゃぁ、告白はしたのよね?」




「あぁ、だが保留にしてほしいと言われてしまって。」




「やだあの子ったら。」




「俺も返事を急いでいるわけではないので、急かすつもりはないのだが。」




「何言ってんのよ、こんなイケメンが告白してくれてるのに返事を保留にするなんて。あのこったら。」




「ジョグ、何してるんだ?」




「誄ちゃんあんたって子はこんなイケメンに告白してもらって返事を保留にしてるらしいじゃないの!」




「あ、赤井さん!?」




「すまない、口が滑った。」




「あぁごめんなさい、立たせたままで。席に案内するわ。」




各々注文も取り終えて食事も終わり雑談をしていると、ジョグが席にやってきた。当然のように赤井さんの隣に腰掛けるあたり、さすがこの店の人気ナンバーワンとでも言っておこう。




私はママが呼んでいるというので席を離れ、ママの元へ向かう。




「ジェイグお姉さんは、蜂谷のお姉ちゃんとどういう関係なの?」




「うふふ、知りたい?」




「うん、すっごく知りたい!」




「私はね、誄ちゃんの所有物なのぉ。」




「・・・どういう事だ?」




「拾ってもらったの、誄ちゃんに。実は私昔少しヤンチャしててね、家もなくなってお金もなくなってもう死んじゃうかもって時があったのよ。その時にまだ小さかった誄ちゃんが私の事を拾ってくれて、蜂谷家まで連れて行ってくれて。蜂谷家の両親共々私を拾ってくれたの。」




「それは、それは。」




「私の名前も誄ちゃんがつけたのよ。」




「それってどっちの名前?」




「ジョグの方、だからこの名前は誄ちゃん以外には絶対に呼ばせないようにしてるの。私と誄ちゃんの愛の証だからぁ。」




何を話しているのかと思ったら。




「ジョグ。」




「あら誄ちゃん、ママとの話は終わったの?」




「終わったよ。」と返事をしながらコナンくんの隣に座りなおす。なんて話をしてくれているんだジョグは。コナンくんはいいものの赤井さんにまで聞かれてしまったではないか。絶対に調べられてしまう。




「ジェイグの略でその名前をつけたのか?」




「え?」




「彼の名前だ。」




「やだぁ、彼女って言ってよ。」




「ジョグって名前ですか?」




「あぁ。」




「略ではなくジョグって本のキャラクターがいたのでその名前を。」




ジョグとは本のキャラクターの名前で、その時私がたまたまハマっていたからつけた名前だ。キャラクター自体は悪者なのだが、本当の悪というわけではなく彼には彼の信念があり、読者の目線次第では彼が主人公となり、本来主人公である青年が悪にだってなるような物語のキャラクターだ。




「もう、その話はまた今度二人でしなさいよ。」




「そうだな、また今度貰った本の感想を話す時にでもしよう。」




「読み終わったんですか、早いですね。」




「あぁ、できればでいいんだが車で話していたミジェの本を貸して欲しいんだが。」




「構いませんよ、今度持って行きます。」




本を貸す約束をしている中、向かいでジョグが何やら騒いでいたが無視だ。それから少し話した後でお開きとなった。赤井さんはそのまま仕事に戻るらしい。




「すみません、お忙しいのに。」




「いや、気にしなくていい。いい店を紹介して貰ったしな。」




「料理もすごく美味しかったよ。」




「そう言ってもらえてよかったです。」




「俺はこのまま仕事に戻る、送ってやれなくてすまないが。」




「大丈夫です、コナンくんと二人で仲良く手を繋いで帰ります。ね、コナンくん。」




「え・・・うん。」




「そうか、ではボウヤ。誄を頼んだぞ。」




「うん、まかせて。」




赤井さんの車が走っていくのをコナンくんと二人で眺めている。今日赤井さんと普通に話ができてよかった。保留にしていた事、怒っているわけじゃなさそうだし。




「蜂谷のお姉ちゃん、赤井さんと付き合ってるの?」




「え、付き合ってないって言ってるじゃん!」




そんな会話をしながら二人で帰路につく、コナンくんはしっかりと私を家まで送り届けてくれた。「大丈夫だから帰りな。」と言っても「僕が赤井さんに怒られる。」と半ば強制的に私の家まで送ってくれた。



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