夢のような経験をしてから暫く経った。
トリップしたこと自体が夢のような経験ではあるが、それをして早々に事件に巻き込まれてまさか自分自身が殺人犯と対峙し、拳銃を向けられるなんて思っていなかったので今ここで生きていること自体が奇跡であると思っているほどだ。事件を呼んでしまう名探偵と一緒にいたし、そもそも事件を鎮圧したりするのが仕事のFBIと一緒にいたのだから巻き込まれること必至だろう。



 
事件の情報収集に少なからず協力し、そのご褒美として赤井秀一さんと江戸川コナンくんとご飯に行ったり、買い物していたら江戸川コナンくんに声をかけられたりと、もうこの前会った人ではカテゴリーできないほど関係を持ってしまっている自分に正直悲しくなってくる。後戻りという手段が欲しい。





食事に行ってから早1ヶ月が経ち、大学も夏休みに入っている私は、宿題なんかをしている暇ないと、どこかの歌の歌詞を借りるがごとく、仕事に精を出していた。仕事の内容などはおいおい話す時が来るだろう。その時はきっと私の核心に触れる時である。





香坂さんのお城でコナンくんが言った「情報屋のお姉さん」という言葉だが、あながち間違ってはいない。正直あの時は自分の裏稼業がばれたのではないかと内心焦ったのはココだけの話として置いておいて欲しい。今、私のこの仕事をあの勘のいい二人に知られるわけにはいかない。知れてしまえば必ず止められてあいつらとご対面する間も無く安全な場所へと隔離されてしまう。そんなことあってはならない。




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