それから何日か経って大学も今日は午前中までなので久しぶりに買い物に行こうと某洋服屋へと足を運ぶとそのには会いたくて会いたくて震えそうな彼がいた。





「あ、沖矢さん。でしたっけ。」





「はい蜂谷さんであってましたか。」





「はい、お久しぶりです。」





「こちらへは買い物に?」





「そうですが、あまり良いものがなかったので帰ろうかと思っていたんです。」





「あ、蜂谷のお姉ちゃんだ。」





沖矢昴さんの後ろから顔を出したのは小さな名探偵だった。事件が起こる前にお暇しよう。





事件に巻き込まれるなんて真っ平ごめんだと早々にお暇を決め込もうとしているとやっぱり事件を引っ張ってくる体質はどこでも健在なようで洋服屋で起きる殺人事件。それをさらりと解決する二人はすがすがしい顔でこちらにやってくる。どうして洋服屋で殺人事件が起こるの?



 

「随分と暗くなってしまったので家まで送ります。」





「遠慮します。」





沖矢昴さんの誘いをコンマの速さで断って店を出ようとしたところ江戸川コナンくんに手を引っ張られた。





「お姉さんさえよければ一緒にご飯食べようよ。」





「ご飯?」





「そうですね、ちょうどカレーを作り過ぎてしまったのでどうでしょうか?」





カレーをちょうど作りすぎるってどういうことなのだろう。





「そうですね、ではお邪魔させていただきます。」





「では、行きましょう。」





沖矢昴さんの車に乗り込み工藤宅へ向かう道すがら、江戸川コナンくんに質問攻めにあった。何にでも興味があるのはいいことだが全てを聞いても良いというほど世の中甘くないのは確かである。見返りは頂かないといけない。





「ねぇ、江戸川コナンくん。」





「何?」





「私、あなたと沖矢昴さんの質問に沢山答えたよね。」





「うん、大学生で。文学の勉強をしてて、一人暮らしでって。」





「料理が得意で、パソコンも得意なんですね。」





「見返りを求めてもバチは当たらないと思うの。」





「そう、だね。」





車の中の空気が変わるのを肌で感じる。
元いた世界ではなんども味わってきたこの感覚に酔いしれたい気持ちを抑えて口を開く。





「ねぇ、沖矢昴さん。」





「はい。」





「あなた一体何者なんですか?」





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