「いや、最近の話か?」



「はい、コナンくんからメールが来たんですけど。警視庁の目暮警部が非番の日に公園でランニングをしていたらボウガンで打たれたらしいです。幸い命に別条はないらしいんですが、その事件現場にダンボールで作った西洋の刀のようなものが落ちていたみたいなんです。」




「西洋の刀?」




「コナンくんはそれをどこかで見たことがあるっていうんですけど。」




「犯人が何かを残しているのなら連続犯になる可能性は高いな。」




「さすが赤井さんですね。」




まず狙われたのは目暮警部、赤井さんに話した通りランニ
ング中にボウガンで打たれたらしい。次に狙われたのは毛利さんの奥様の妃英理さん。郵便受けに入っていた差出に不明のジゴバのチョコを食べた途端苦しみだしたそう。そしてそのチョコの包み紙には紙製の花が添えられていた。




コナンくんにメールで貰った画像をプリントしたものを赤井さんに見せるとそれをまじまじと見つめて黙ってしまった。




「それ、なにか思い出しますか?」



「いや、しかし。二人目の被害者である毛利探偵の奥様は差出人不明にも関わらずそのチョコを食べたのか?」




「前の日に毛利さんと喧嘩をしたらしいんです。だから毛利さんがお詫びも兼ねて名前も書かずに郵便受けに入れたんだと思ったらしいです。」




「なぜジゴバでなければならない?」




「毛利さんと妃さんが喧嘩をした時家族でお食事をしていたそうなんです。同じお店で15年前にもお二人は食事をしているらしくて、初めてそのお店に行った時毛利さんがプレゼントしたのが妃さんの好きなジゴバのチョコらしいんです。」




「なるほどな。」




「でも、素敵ですよね。15年前のお店が今でもやっていてそこに食事に行けるなんて。」




赤井さんはコーヒーを飲みながら小さな声で「そうだな。」とつぶやいていた。あまり見えなかったけど滅多に表情筋が動かなそうな赤井さんが少しだけ笑っているような気がした。




「犯人が残したこの二つなんですけど。」




「あぁ。」




「小学生が思い出せないのになんで私に聞いてくるんでしょうね、いくつ歳が離れてると思っているんでしょう、喧嘩を売られている気分です。」




「俺はお前に喧嘩を売られているような気分だ。」


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