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赤井さんは用が済んだらすぐに仕事に行った。仕事に戻る際も「勝手に安室くんに近づくな。」とかグチグチ言ってくる。正直に言わせて貰えばこの間だってなんだって私から彼に接触したわけではない。彼から私に勝手に接触してきたのだ。文句があるなら彼に行って欲しい。
コナンくんから貰った犯人が残していったという証拠品を眺めているとふと何かひっかかることに気がついた。なんだろう。
今これに気がついた私はきっと「アハ体験」なるものをしているだろう。脳が異常に活性化したような感覚がする。そういうことか。小学生が悩んで悩んで思い出せないものに気がついた私はきっと今小学生よりも若い脳を持っているような気がする、若いって素晴らしい。
早速コナンくんに連絡を入れて今からそちらに向かうと伝える、ちょうど阿笠博士の家にいるからそちらに聞いて欲しいと言われバイクにまたがり走り出す、ちなみにこれは盗んだバイクではなく購入したバイクである。
晴天に恵まれる中バイクを走らせて阿笠博士の家であろうところまで来ると何やら不穏なバイクが玄関から走り去っていくのが見える。事件だろう。十中八九事件に巻き込まれているであろう私は腹をくくり阿笠博士の家の前までバイクを走らせる。
阿笠博士の家の前を通り過ぎようとするとこちらに向かいスケートボードを投げてくるコナンくんがいた。
「クソガキ、乗りな。それじゃ追いつけないでしょ?」
「は、蜂谷のお姉ちゃん!?」
ヘルメットをコナンくんに投げると、それを被りながらバイクの後ろに跨ったコナンくんが私の背中を掴んできたのを確認してバイクを走らせる。決してスピード狂というわけではない。いつぞや赤井さんの運転で組織を追いかけていた時、あんなスピードを出されては絶叫系なんてお遊びでしかないと感じられるくらいだったのだから。
「あれが、例の犯人に間違いない。」
「君は疫病神か何かなのかな?」
「え?」
「コナンくんといると事件によく巻き込まれるから。」
「ははは。」
犯人が左折をしたので数秒遅れで左折するも、もうそこに犯人の姿はなかった。
「どうしよう、見失った?」
「いや、左に行けば歩や源太たちの家の方だから。」
ポケットから何やらバッチを取り出し会話をしているコナンくん、それが有名な探偵バッチですか。お姉さんにもいじらせてと言いたいところだが、状況が状況なだけに今そんな事を言ったら確実に怒られる気がした。
「お姉さん、犯人は左に行ったみたいだ。」
「あいよ。」
コナンくんの合図とともに犯人を追うために左に曲がりバイクを走らせる。
「米花駅の方を右折していったよ。」
「了解。しっかり掴まってな。」
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