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この世界にいれば何度も人の死に直面するだろう。私自身実際に見たことはないが、この間事件に出くわした経験があるわけだし。だが、いざ目の当たりにすると叫ぶことしかできない。




ワインを探しにワインセラーへいていた毛利さんが声を聞きつけてやってきたて水槽の中で魚たちとともに水の中を漂っている旭さんを発見し、一刻も早くここから脱出するために非常口の確認をしに行った。電話はもちろん圏外で通じない。固定電話も切られている。出入り口も開かずじまい。




助けて、赤井さん。




「大丈夫ですか?」




「・・・安室さん。」




両腕で体を包み込み必死にこみ上げてくる震えと戦っていると、座り込んでいる私の上から声がした。




「震えていますよ。」




「・・・大丈夫です。」




「あれを見てしまっては仕方がないでしょう。これを着ていてください。」




差し出されたのは安室さんの着ている上着だった。初めこそ遠慮したものの安室さんがあまりにも強引に差し出して来るので、安室さんの差し出したそれに袖を通した。




「ありがとうございます。」




「いえ、ここに座り込んでいては何ですので。あちらの椅子に行きましょう。」




手を引く安室さんを後ろから見ると、なぜだか赤井さんと重なった。背の高さから髪の色、声も全く違うのになぜこんなにも重なるのだろう。




「ここに座っていてください。僕は毛利さんたちと出口がないか見てきますので。」




「わかりました。」




「コナンくん、蜂谷さんと一緒にいてあげてくれるかな。」




「うん、わかった。」




「いいか、蘭は蜂谷さんとコナンとここにいろ。奈々さんもここを動かないように。」




「わかりました。」




「私がいるからダイジョウブです。みなさん安心してください。」




私と蘭ちゃん、奈々さんとジョディさんを残し、毛利さんたち男性陣はが出口を探すためにメインホールを出って言ってからしばらく。こみ上げてくる震えは止まったものの、言いようのない不安感が押し寄せる。




「大丈夫、お姉ちゃん。」




「コナンくん、大丈夫だよ。」




「心配ないです、ダイジョウブです。」





「ジョディさん。」




男性陣はなかなか帰ってこない、もう少しで我慢の限界を迎えそうな小山内奈々さんが時計をちらちら見だしている。コナンくんは自分も館内を探しに行くため蘭ちゃんの目を盗んで捜索に行こうと歩みを始めた瞬間、蘭ちゃんに掴まってスタートに戻ってきていた。




「クールキッドは好奇心が旺盛ですね。」




「ははは。」




今になってジョディという女性がどうして手に拳銃の肉刺のを持っているのかがわかった。なんとも使いのもにならない脳みそである。




確か赤井さんと同じでFBI捜査官のジョディ・スターリングだ。ということは赤井さんもここにきているのだろうか?それとも彼女の単独任務?




プツッ




今まで明るくこの場を照らしていた明かりが全て消えた。今まで見えていたのもが見えなくなる不安が一気にこの場の空気を変えていった。


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