「組織の連中は幹部になると酒の名前で呼び合うんだ。」



「ふーん、もしかしてライっていうのもそうなの?」



「あぁ、それは俺が組織にいた時のコードネームだ。」



「・・・江戸川コナンくん、この人の方が怪しいんじゃないの?」



「そんなわけねーだろ。」



「またこの口は。」



「いたたたた、ごへんなはい。」



沖矢昴さん基赤井秀一は運転席に座り直すとまたタバコに火をつけた。紫煙が車の中と少し窓を開けた隙間から外に舞う。



「蜂谷誄、俺たちについてどこまで調べたか教えてもらおう。」



「・・・お腹が空きました。」



「お姉さん?」



「早く沖矢昴さんのちょうど作り過ぎてしまったカレーが食べたいです。」



「では、続きは帰ってからですね。」



再び変成器のスイッチを入れ車を走らせる沖矢昴を横目に、この人本当は二重人格なんじゃないかという疑問を江戸川コナンくんにぶつけると少し笑いながら「俺も思った。」と言われた。二人で小さく笑いながらいるとミラー越しに怖いほどの笑みを浮かべた沖矢昴基赤井秀一がいて、背筋に汗を感じつつこの話は小さく幕を閉じた。



3、40分車を走らせると目的地である工藤宅につき、沖矢昴さんのちょうど作り過ぎてしまったカレーを食べる。おいしい。



皿洗いぐらいはやりますと全員の食器を持って台所へ行っていると江戸川コナンくんと沖矢昴さんが何やらヒソヒソ話しているのがわかる。



私をどう処分するかを考えているのだろうか。だがしかし、このご時世誰にもわからないように人をあやめようなどそんなこと世間が許すわけがない。私は健全な大学生、私が死んで出席が滞ったりしたら学校側が不審に思うだろう。そういうのも計算のうちである。



少し話した二人だがコナンくんはこちらへ、沖矢昴さんは廊下へと出て行ってしまった。



「手伝うよ。」



「ありがとう、クソガキ。」



「ははは。」



「沖矢昴さんはどこへ行ったの?」



「ちょっとね。」



「そう。」



お皿を全て洗い終わり食後のコーヒーを入れていると、知らない男性が台所に入ってきた。江戸川コナンくんは「コーヒーはブラックだよね。」と、さも当たり前のように聞いているが、少し待ってほしい、この人誰?



「これは俺が持っていこう。」



お盆に乗った3っつのコップをよくわからん黒い男の人に取られた。不思議そうな顔をしながら後を追っていくと、彼とは反対側のソファし座るように促される。



「さて、話してもらおうか。」



「ちょっと待って。」



「まさか、この後に及んで話さない何て言うのか?」



「話しますけど、その前に誰ですか?」



「蜂谷のお姉ちゃん、この人が赤井さんだよ。」



「・・・嘘だぁ。」



「本物なんだが・・・。」


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