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壮大に飛行船からの紐なしバンジーを決めているコナンくんはやはり、紐なしという事もあってかどんどんと下へ落ちていく。このままじゃコナンくん、死んでしまうんじゃないだろうか。そんな不謹慎極まりない事を思っていると、コナンくんとは別にもうひとつ人影が落ちていく。
「ウェイター?」
飛び降りたんだか落とされたんだかのウェイターはコナンくんをキャッチしたのだろうか、その姿をハンググライダーに変えた。
怪盗キッド!?
もうすでに飛行船内に忍び込んでいたらしい。なんてやつだんだ。しかもコナンくんを助けるために躊躇なく飛び降りるなんて、かっこいい。
取り合えず、赤井さんに相談したほうがいいだろう海外で傭兵経験があるグループなら日本警察よりもFBIのほうが話がわかるかもしれない。水川さんにバレるのはまぁ仕方がないこととして上に上がる。
「君は!?」
「シッ。静かにしてください。」
「君も発疹が出ているじゃないか。」
静かにしてと言ったことに対し、小声で話しかけてくるところを見ると、少しは冷静さを取り戻したんだろう。パニックになってなくてよかった。
「私がここにいることは秘密にしてください。武装集団にバレるとまずいので。」
「・・・わかった。」
「私は下にいますので、宜しくお願いします。」
「あ、あぁ。」
もう一度下に戻り赤井さんに電話をかける。
「赤井さん?今大丈夫ですか。」
「あぁ、今飛行船か?」
「はい。」
「楽しんでいるか?」
「楽しいですよ、景気がとてもいいですし。あぁでも、コナンくんのほうがいい景色を見ていると思います。」
「?」
「風を体中に感じながら落ちていきましたから。」
「な!?」
「でも、安心してください。怪盗キッドが助けてくれました。直にこちらに戻ってくると思います。」
「もう少し、驚かせないように話せないのか?」
「すみません。」
先ほどパソコンに届いたやつらの情報を添付したメールを赤井さんのパソコンに送ろうとしたがそういえばアドレス知らない。携帯のアドレスは知っているのだが今電話しているのは携帯電話だし一緒には使えないだろう。
「赤井さんのパソコンのアドレスを教えてください。」
「アドレス?」
「飛行船がジャックされました、殺人バクテリアとおそらく爆弾も乗っています。武装集団のデータを送りますのでFBIで調べていただけませんか?」
「わかった、アドレスは・・・」
赤井さんに教えられたアドレスにメールを送ると数分後電話口の向こうからたくさんの人の声が聞こえるようになっていった。FBIが行動を始めたんだろう。
「誄。」
「なんでしょう?」
「殺人バクテリアの感染は出ているのか?」
「男性が2名に女性が2名の計4人出ています。先に感染がわかった男女1名ずつは診察室に、後から見つかった感染者は殺人バクテリアが見つかった喫煙室に隔離されています。」
「飛沫感染によって感染するとされているから感染者を隔離するのは的確な判断だろう。」
「そうですね。一応全員に手などをよく消毒するように言ってあるので大丈夫だとは思います。」
「そうか。こちらも早急に手を打つようにする。」
「ありがとうございます。」
「ハイジャック犯がいるというのに電話ができるということはどこかに隠れているのか?」
「あ〜、まぁ。そんなところです。」
「お前は今どこにいる?」
「・・・喫煙室です。」
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