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「今はその話は関係ないですよ、あなたがどう責任を取ってくれるのかって話をしているんです。」




「何にもしていないんだから、責任を取る必要はねーよ。」




「そうですね、反省していないようでしたのでこちらで先に手を打たせていただきました。」




「何をした?」




「あなたが偽り続けていた経歴を全て正しいものへと変え、全世界に顔写真付きの指名手配書を配らせていただきました。あなたは国際指名手配犯です。おめでとうございます。」




「このクソガキ。だがな俺が金で雇ったやつだけをここに連れてきたと思ってんのか?」




「どういうことだ?」




「カメラマンと、リポーターでしょう?」




「そこまで知っていたのか、さすがだな。」




「まぁ、今頃下はパニックでしょうけど。大丈夫でしょうだって、あなたはここで捕まるんですから。」




リポーターとカメラマンがこいつの本当の部下だってことは最初からわかっていた。でなければハイジャック犯にわざと子供達がいない、などというはずがないのだから。




しかし、奴らの本当の目的はバイオテロでもなければハイジャックでもない。真の目的は大阪にあるお寺の国宝の窃盗。殺人バクテリアを乗せた飛行船が大阪に着くことが知れれば大阪中がパニックになり近隣住民含め、大阪住民全員が大阪から逃げ出す。そうしてもぬけの殻になったお寺から仏像を盗み海外に売ろうとしていたのだという。




そして、自分がここに来たのはコナンくんをおびき寄せるためだと。おい、私は?




拳銃を構える藤岡さんが見えたのでコナンくんの手を引いて抱き寄せてかばうような姿勢を取るが、体を捻ったのが悪かったのか放たれた銃弾は私の脇腹を掠めていった、掠めたと言ってもこの間赤井さんに打たれたような感じではなく結構深い感じで。




「誄姉ちゃん!?」




「拳銃に怯えずにガキを庇うとは、なかなかのもんだな。」




「こっちは、早々に火の海の中で拳銃向けられたり、ナイフ持った犯人に人質にされたり波乱万丈な人生送ってんのよ。もう拳銃ぐらいじゃ驚かないから。」




「ハッ。見上げた根性だ。それに免じてお嬢さんからいたぶってやろう。」




「や、やめろー!!」


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