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「コナンくんやい。」
「何?」
「これをやるなら早く言って、腕が痛くてやばい。」
「え?も、もう少しだから頑張ってよ!」
「頑張ってるって。本気で頑張ってる。卒論書くより頑張っている気がする。」
「しっかりつかまってよ。」
「わかってるって。」
オートパイロットが作動したのか、水平飛行の装置が作動したのか。飛行船はまた海面に向かい平行にその体を直していった。
全ての犯人がしっかりと警察に捕まり、私たちも飛行船内へと戻る。手当をしてもらったところがまだ痛むが、そこまで深い傷ではないだろう。すぐに治る。
タバコを吸うために例の漆まみれの喫煙室へ行くと怪盗キッドが立っていた。彼はこちらに近づいてきてこの前同様に私の手を取った。
「願い通り、守り神と謁見が叶いましたね。」
「いつから、私のことを知っていたんですか?」
「あなたがあの店から出てきたんで、おかしいと思ったんですよ。」
「はぁ?」
「普通の大学生ならあんな薄汚い路地裏のお店になんて行かねーだろ?」
「どうでしょうね?」
「もう一度誘う。俺と一緒に来ないか?」
「行きません。」
「今度は即答かよ、悲しいなぁ。」
「本当はそう思ってないくせに。」
「思ってるっつの。まぁ、泥棒だしいつか奪いにくるからな。」
「その時はあなたを捕まえます。」
「ははは、そうならないようにしっかりと計画を練ってくるからな。」
キッドは上に上がっていった。きっとスカイデッキに行ったんだろう。タバコに火をつけてそれを胸いっぱいに吸い込む。
私の正体がキッドにばれてしまった以上、赤井さんたちにバレるのも時間の問題だろう。今回の事件で動き過ぎてしまったと自分でも思う。しかし、仕方がない。契約違反をしたのは向こうの方だ。ルールを守らないものを黙って見過ごすわけにはいかない。
「まぁ、そろそろ話どきだとは思ってましたよ。」
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