ダイアゴン横丁





「わあ、トム、凄いわ!ここがダイアゴン横丁なのね!」


「あまりはしゃぐと転けるよ」


「やだわ、転けないわよ!私そこまで鈍臭くないわ。」



そうは言ったものの、浮かれてトムの周りをクルリと一周すれば少しよろけて人にぶつかってしまった。

慌ててゴメンナサイと謝っていれば、私の手を取ったトムが呆れた表情で私を引っ張る。

少し、反省しようと思う。



私達は、ダイアゴン横丁に来ていた。
院長のミセス・コールは何処に行くのだと不思議そうな顔を浮かべていたけれどダンブルドアが何か上手いこと言ってあるのか何も聞いてはこなかった。

なので、1番の悩みどころは買ったものを新学期まで孤児院の何処に避難させるかだった。




大人しく手を繋いだままトムの隣を歩いていると魔法生物のペットショップが目に入った。


「わあ!見てトム!ペットショップだわ!私賢い猫が欲しいの!お母様と猫を飼っていたのよ!お母様が死んでしまってからすぐに猫も死んでしまったけれど」



ペットショップのガラスにペタリと引っ付きながらゲージに入れられている猫を見つめた。
私に見つめられた猫が私に気にすることはなく、大きな欠伸をした。あまり賢そうではなさそうだ。



「名前、買える訳がないだろ。いくらホグワーツに援助して貰えるといっても限度があるんだ。例え君に母親の残したお金があるとしても猫は買わない」


そう言ってまた私の手を引っ張る。
私は分かりやすく肩を落とした。

私達はお金を出してくれる親がいないので教材などは全て比較的安くつく中古を買うしかなかった。
私には母親の残したお金がグリンゴッツの金庫の中にあるけれど、今は残しておくことにしている。



「私いじめられないかしら」


「……名前を虐めるやつがいたら殺してあげるよ」


トムはそう当然のように言い放ち、書店の中に入って行った。


殺しちゃダメじゃない。


そうは思ってもついつい喜んでしまう私だった。


花死