リドル誕生日2017.12.31
いつか直します。
「リドル誕生日おめでとう!また1つ死に近づいたわね!」
そう言いながらトムの前に美味しそうな屋敷しもべ妖精特製のドライフルーツ入りケーキを置けば、トムがギロリと私を睨んだ。
「………俺を怒らせたいの?」
「いやね、ちょっとした冗談よ。」
クスクスと小さく笑い飛ばせばトムも読んでいた本に視線を戻した。
トムが座るソファの隣に腰を下ろしてケーキを切り分ければ、俺は要らない、とトムがこちらに視線も寄こさずそう言った。
「どうしてよ?折角作って貰ったのに」
「誕生日なんてどうでもいい。たかが人間が生まれた日だろ、祝う程のことじゃない」
「そんな簡単に言うけれど、人が生まれるって凄いことなのよ」
切り分けたケーキを一応リドルの前に置いて、私は美味しく頂こうと口に運べばドライフルーツの素朴な甘さが口に広がった。
「ねえ、トム」
私がトムを呼べば煩わしそうではあるけれど、ちゃんと私の方へ視線を寄越してくれる。
それだけで、私は他の子とは違う…というような優越感が広がった。
「人は、いつか死ぬものよ。死は、怖いものではないわ」
私がそう言ってのければトムは心底分からないというような顔をした。
否、本当に分からないのだろう。
「俺は死なない。分霊箱についても計画は念密に立ててる。………それ程死にたいのなら勝手に死ぬんだな」
「あら、そうさせてくれないのは貴方でしょう」
そう言って一口紅茶を飲めば、隣でトムが苦い顔をしながら小さく唸った。
トムは絶対に私を離さない、そう確信があるからこれだけ好き勝手なことを言えるのだった。
その証拠に、ほら。
グ、と手荒に肩を引き寄せ、その手を後頭部に移したトムは私にキスを落とした。
そのまま唇だけを離し、顔と顔とが触れ合うギリギリのところに近づけたままトムは言った。
「……俺様の誕生日を祝うのなら……ケーキじゃなくこっちの方が喜ぶ」
「ふふ、変態オヤジみたいなこと言うのね」
私の言葉に眉を顰めたトムを至近距離で確認した後、トムが離れてしまう前に首に腕を回した。
そのままトムの薄い唇をペロリと舐めればギラギラとした赤い瞳と目があった。
「それは、何をされてもいいと言うことだな?」
今にも私を押し倒そうとするトムに囁く。
「好きに、して?」
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服を何も身につけていない状態で私は目が覚めた。
ランプの火は消え、部屋は薄暗く寒い部屋だった。
クシャクシャになったシーツを手繰り寄せ、それを纏いながらこちらを向いて眠るトムに近づき胸に頬を寄せる。
子宮の辺りがジクジクとするが、それがトムによってのモノだと思うと愛しく思った。
近くで改めてジッと見つめてみれば、長い睫毛に薄い唇、キメの細かい白い肌。
女子顔負けの顔を持つこの美しい男は自分の顔は利用できる。それくらいにしか思っていなかった。
愛を知らない、冷たく可哀想な人。
「貴方が生まれてきてくれて、私は嬉しい」
彼は、愛というものを一生理解出来ないんだと思う。
だけど、私は理解されなくても良かった。
ただ、彼が私を離さない限り、
私は彼を、愛する。
「誕生日、おめでとう」
ずっと、ずっと2人で、死にたい
Happy Birthday Tom Riddle!