笑みの真意



プラチナブロンドの男は切れ長の目を細め、口を開いた。


「…ということは、ホグワーツの新入生か?
初めまして。私はアブラクサス・マルフォイだ」


ニコリと笑ったアブラクサス・マルフォイという男はとても紳士的だったが、どこか冷たい雰囲気を纏わせた人間だと思った。

気品を漂わせる仕草に、マルフォイという名。
きっと貴族なのだろう。


「初めまして。私は名前・苗字よ」


「トム・リドルだ」


マルフォイがトムにも握手を求めたのでトムも席を立ち、手を握った。


「私は今年で6年生になる。ホグワーツ で分からないことがあれば気軽に質問して構わない。……勿論ーーー君達がスリザリンなら、の話だがな」


彼なりの冗談だったのだろうか。
クス、と笑みをこぼし、それじゃあまた、と直ぐに人混みに紛れてしまった。

アブラクサスが消えてしまった方向を見つめていると、同じように見つめていたトムが口を開いた。


「スリザリンってなんだ?」


その質問に、母から聞いた話を思い出した。


「アー……多分、多分よ?私あんまり覚えていないのだけれど、ホグワーツ には四つの寮があって、私達はそれぞれ組み分けされる、…その四つの中にスリザリンがあった気がするわ」


「どう分けられるんだ?」


「そうね、例えば、お母様はグリフィンドールだったわ。グリフィンドールは勇敢な人が選ばれる寮で、スリザリンは………狡猾、だったかしら。スリザリンは、…あまり良いイメージがないわ。どうせ選ばれるならお母様と一緒のグリフィンドールが良いわね」

けれどトムは頭がいいからきっとレイブンクローよ。

うろ覚えだが、お母様の言っていた話を思い出しながら嬉々とそう話すと、トムは、



「……僕はきっと、スリザリンだろうな」




その言葉に、トムがスリザリンなら私も同じだろう、…そう思った。





花死