分かりきった組み分け
ホグワーツ特急が止まり、先生は大きな声で生徒を引率し、生徒たちは素直についていくと大きすぎる湖に無数のボートが浮かべてあってどうやらこの湖をこれで渡りホグワーツに向かうのだと悟った。
当然、私とトムは2人でボートに乗り込む。
勝手に動くボートが気になって水面を覗くと、トムに危ないと怒られた。
アルファードは、2つ隣のボートに少し気取った風なツンとした女の子と乗っていて私達を見かけると手を振ってくれた。
「ねえトム。これから毎年ホグワーツに来るたびにボートに乗るのかしら。だとしたら面倒よ。」
「いや、どうやらボートに乗っているのは1年生だけみたいだし、きっと違う道があるんだろう」
「そうなのね、良かったわ。」
他愛もない話をしているとどうやら到着したようなのでボートを降り、とても大きなホグワーツの門をくぐり大広間に入っていくと城の中だというのに空があり、その空に無数のロウソクが浮かんでいた。
それに酷く感激してしまい、ジッと空を暫く見上げていると、気がつけば一人一人名前が呼ばれ、呼ばれた人は丸い椅子の上に座って何やらボロ切れを繋げて縫ったような帽子をかぶせられていた。
「レイブンクロー!」
なんと、驚くことにその帽子は喋った。
帽子に叫ばれた人は返すなり恥ずかしそうにレイブンクローのテーブルへと進み、そしてすぐにまた次の名前が呼ばれ違う人が丸い椅子に座らさせる。
どうやら組み分けをしているようだった。
「俺達、同じ寮に入れるといいな」
いつの間にか隣にいたアルファードがそう呟くなり、「ブラック・アルファード」と名前が呼ばれ、アルファードは私達に目配せするとそのまま前に進んで行った。
私達はアルファードと、きっと同じ寮になるのだろうと、その時何となくそう思った。
スリザリンのテーブルから歓声が上がりアルファードが椅子から降りる。
隣に立つトムを盗み見てみればツンとした表情で真っ直ぐ帽子を見据えていた。
緊張なんて、したことないかのように。
次々に名前が呼ばれ、いっぱいだった1年生がすっかり減り疎らになった頃、等々「リドル・トム」と呼ばれた。
トムは呼ばれるなり私の手をスルリと取って「お先に」と囁いた。
ほんの数秒だったが、トムの目には私と寮が離れることなんてあり得る訳がないというような強さを感じた。
「スリザリン!」
まあ本当に離れる訳がなかったのだが。
結局、トムも私も同じスリザリンでアルファードはすっかりニコニコと喜んでいた。
「実はグリフィンドールにしてもらおうかとも一瞬思ったんだがヴァルブルガがこちらを睨んでいたのでやめたよ」
「当然の結果よ。ブラック家としてはスリザリン以外なんて恥晒しも良いところ。私に感謝して欲しいくらいだわ。」
綺麗だがキツイ性格なんだろうな、と感じさせるこの子はヴァルブルガというらしく、アルファードと同じブラック家の女の子らしい。
私の目の前に座るヴァルブルガの言葉に、またその隣に座るアルファードは分かりやすく肩を竦ませ、
「ステキなお気遣い、有難う」
そういってシェパーズパイにフォークをブッ刺した。