心地のいい束縛

狡噛は、征陸から教えられたセーフハウスに足を踏み入れる。ふと、目を止めた。そこには一枚の写真。幼い宜野座を、まだ若い征陸が肩車している。それを見て、どうか彼らがこの苦境を切り抜けられるように祈った。逃亡犯が何を言うのかと、宜野座が怒鳴る姿が目に浮かぶ。口元を緩めたのも一瞬、準備を始める。部屋にあった全身鏡に向かって、征陸が用意してくれていた拳銃を構えた。スターム・ルガーSP101。357マグナム弾が五発装填可能。拳銃に加えて、予備の弾丸とリボルバー用のスピードローダーまである。ラッチを押してシリンダーをスイングアウト。素早く拝莢して新しい弾丸を装填。そして再び構える−−−その動きを繰り返した。

────引き金を引くのが怖いのは、銃把を握る自分が弱いから。恐れを取り除くためには、それを御し切れるくらい強くなればいい。簡単な話でしょ。スーパーエリートなんだからさ。肉体の鍛錬は言うまでもないけど、あとは常に触ってるといいよ。質感、重さ、匂い、形。それらを記憶することを心がけて。そうすると、そのうち体の一部として操れるようになる。武器も人も同じ、理解せずに分かり合うなんて無理だよ。

思わず口元に笑みが浮かぶ。別れた後だからか、余計に思い知らされる。彼女の放った言葉が間違っていたことはただの一度もない。嘘は吐かない女だ。この銃を己の一部に。目の前に槙島の姿を思い浮かべ、構える。いける。準備を整え、セーフハウスを出て地下駐車場へ。奥まった場所に目的のものがあった。ボロボロのツーリングワゴン。征陸に貰った鍵束の一つを使い、その荷台を開けた。そこには良好な状態のバイクがある。あまりの用意の良さに、狡噛は思わず笑ってしまった。有り難く借りるとしよう。バイクを走らせ目的地に着く。ちょうど響歌達が公安局から去ろうとしていたその頃、狡噛は雑賀と対面していた。部屋に通され、張り詰めていた緊張がほんの少し緩まったところで爆弾が投下される。

「ローズとはキスくらいしてきたか?」
「ぐっ、ごほっ、雑賀先生・・・勘弁してください」
「図星か」

狡噛が思わず咽せる。素直な反応に雑賀は意地悪く笑った。と同時に驚く、あの響歌が異性とスキンシップするようになったかと。だからこそ、その愛が蕾で終わることが惜しい。どんな花が咲くのか見てみたかったと、そう思えてならない。

「別れ際に少しだけですよ」

しかし、胸を刺す遺憾な思いは、その横顔に一掃される。生かすことに決めたのだ。復讐を終えたその先、たとえ血に塗れた手でも、彼女を捕まえに。良かったと一言で述べるには、あまりに複雑だ。

「成程・・・詳しく訊きたいところだが、そんな時間は無さそうだな」

それから狡噛は雑賀と共に、槙島の行動予測を始めた。まさかあの男がここで諦めるとは思えない。必ず仕掛けてくる。タイムリミットは、首都圏のセキュリティネットワークが完全復旧するまでのあと五日。用意された食事を腹に入れながら、淡々と会話を続ける。狡噛が持参した資料を読んだ雑賀の槙島に対する印象はこうだ。シビュラシステム運営下に『政治犯』というものが存在するとすれば、それは槙島のことだろうと。続いて、極めて悪質なテロリスト、あるいはアナーキスト、アジテーター等と列挙していく。どのみち陸なものではないと締めた。

「ところで狡噛。アナキズムの定義とは?」
「支配と権力の否定です。しかし、それは混乱と無秩序という意味ではない」
「そうだ。非人間的な支配システムの否定。より人間的なシステムの構築。槙島はアナーキストに近いが彼ほど破壊を好むとなると本来の語義から大分離れる」
「非人間的な支配システム…すなわちシビュラ、ですよね」

そう言って、狡噛はコーヒーを啜る。それに雑賀は頷き、続けた。マックス・ウェーバーを引用し、理想的な官僚とはひたすら『義務』に従う人間のことであり、シビュラシステムはそういう意味では理想の官僚制行政に近いのかもしれないと。ただし、それは公表されているシビュラのスペックが全て真実という前提のうえでの話だと最後に添える。その言葉に、狡噛は思わず口角を上げた。怪訝そうにこちらを見る師に、笑って返事をする。

「以前、響歌が言ったことを思い出しました。槙島が存在するか否かという議論になったとき、そんな奴はいないと断言した同僚に、あいつが息をするように言ったんです。そんなのは《シビュラが常に正しい》という前提があればこその結論だと。そう言われた時の、妖怪でも見るような同僚の顔はかなり笑えた」
「実にあいつらしい発言だ。普通の子供なら自然に植え付けられているであろうその前提は、あいつにはないからな。時に狡噛。他は兎も角として、恋愛となると君は格段に分析し易くなるな」
「はい?」
「表情、声音、至る所から漏れている。こっちまでむず痒くなるから少しは気を遣ってくれ」

揶揄うように言えば、狡噛は眉間に皺を寄せる。完全に無意識なのだろう。今まで誰も指摘しなかったのかと疑問に思うくらいだ。こんなに分かり易くても、向けられている張本人は気付いていないに違いない。臨床心理学の『り』の字を学ぶ前に匙を投げるような女だ。仕方ないと言えば、そうなのだろう。彼女は基本的に他人に興味が無く、学問として取り入れなくともカバーできるくらい異常な直感を持っている。それは根拠のないものだが、百発百中に近いのだから恐ろしい。

「話を戻しましょう・・・槙島は電話で俺に、『シビュラの正体を知った』と言っていました。『お前が命を懸けて守ようなものではない』とも」

咳払いをして話題を戻すと、狡噛は槙島との会話をなぞるように復唱した。雑賀はマックス・ウェーバーから更に引用する。官僚的行政は知識によって大衆を支配する。専門知識と実務知識。そしてそれらを秘密にすることで優越性を高める。そこで狡噛が一言、槙島はその優越性を剥ぎ取ろうとしていると。そしてそれは成功しかけた。先の暴動で、この社会はかなり危険なラインまで脅かされた。雑賀は続ける。

「そして、厚生省から槙島に対して何らかの『提案』があった」
「槙島はその提案を受け入れなかった」
「一度、録画か録音つきでその槙島という男と話してみたいもんだ」
「研究の一環ですか?」
「そういう段階じゃないな。純粋な捜査協力のためにだよ・・・もし、この席に槙島もいたら、どんなふうに参加してくると思う?」

ふと、雑賀は尋ねた。その問いにどんな意図があるのか分かり兼ねるまま、想像してみる。一瞬で幻想が視界に飛び込んでくる。向かいの席に槙島がいる。そして狡噛は答えた。マックス・ウェーバーを持ち出された次の瞬間には、フーコーやジェレミー・ベンサムの言葉を引用して返すだろう。そしてどんな言葉、どんな口調かさえも、想像できた。幻想の中では、ふたりはまるで友人同士のように会話をしていた。槙島の軽口に狡噛が腹を抱えて笑う、そんな仮初の光景だ。食事を終え皿を洗っていると、雑賀が再び口を開く。

「踏み込んだ質問をさせてもらう。お前は、槙島と自分が似ていると思うか?」
「・・・似ているかどうかはさておき、理解できる点はあります」

複雑そうに狡噛が答える。槙島の過去は何も分かっていない。その経歴は念入りに消去され、闇に包まれてる。そう前置きしたうえで、狡噛は断言した。彼の人生には重大な転換点があった。そう、自分が特異体質だと気付いた瞬間。その時、彼が覚えたのは疎外感。シビュラの目に映らないということは、人間としてカウントされていないのと同じではないのか。そこまで語ったところで、狡噛の脳内に再び響歌の姿がチラつく。

────人を肯定するのは巫女シビュラじゃない、人だよ。

分かってるさと、心で呟く。たとえ巫女に見限られようと、狡噛慎也を肯定する人間がいる。だからこそ、自分は槙島とは違う。先の指摘に従い、今度は表情に出さないように努めた。上手いこと出来ていたのか、雑賀は何も言ってこない。狡噛の見解に眼鏡をいじりながら頷いた。

「仲間に入れてもらえなかった子ども…なるほど。案外、そんな気分が槙島の原点なのかもしれないね」
「とはいえ、全ては推測です。本当のところは、本人に訊いてみるまで分からない」
「君は、訊くつもりはない」
「はい。なるべく早く、必ず殺します。そのために先生の力を貸してください」
「・・・私もとんでもない生徒を持ってしまったな。もちろん、やるよ。放っておくと、この前の暴動よりもひどい死人が出るだろう。あとで書斎に来なさい。面白いものを見せよう」

場所は変わり雑賀の書斎。部屋の至る所に資料が積み上がっている。論文のコピーや古臭いDVD−R。本棚から溢れてきそうだ。狡噛は、そんな場所に置かれたデスクで雑賀が操作するパソコンのモニタを覗き込んでいた。接続しているのは、見たこともない匿名掲示板。その様子に思わず尋ねた。

「これは・・・なんなんですか?」
「かなり古いタイプの匿名掲示板でね。海外のサーバーをいくつも経由して運営されてる」
「海外のサーバー!?」

聞いたこともない驚きの声をあげる狡噛に、雑賀は喉を鳴らす。元大学教授としての性なのか、丁寧に説明してやる。目に付きにくい。シビュラに対してもまた然り。この掲示板を使っているのは、かつて知的活動をしていた人々である。大学教授、ジャーナリスト、評論家、文学者エトセトラ。つまりはシビュラシステムによって用済みとされた者達。そういう人間が鬱憤が溜まったときに、ここに書き込む。

「ちなみに、ここはローズの遊び場だぞ。たまにとんでもないスレッドを立ててる。まぁあの娘は、現実でも好き放題言っているがね。皆、中身があんな綺麗な女だとは想像もしていないだろうさ」
「・・・今更ながら、とんでもない女に惚れたんだと実感しました」
「そこが美点なんだろう?でだ、夕食の前に一つスレッドを立てておいた」

記されたタイトルはこうだ−−−五日間でシビュラシステムを完全崩壊させる方法は。狡噛が声を漏らす。レス数はかなり伸びている。この中から狡噛の直感に引っかかるネタを探そうと雑賀が言う。見たところ馬鹿げた冗談ばかりのようだと顔を顰めれば、一番面白いジョークを探せときたもんだ。不本意ながら似た者同士である自分と槙島、そのインスピレーションを信じろと意地の悪い言葉で締められた。無言で画面をスクロールしていく。発電所ジャック、毒ガステロ、海外への機密漏洩、そしてある一つのレスで狡噛の手が止まった−−−シビュラシステムを崩壊させるには、食料の自給体制を破壊するのが一番ではないでしょうか。どうやらかなり熱い議論が行われていたらしい。雑賀はツリー状になっていた箇所を開く。

『食料不足でシビュラシステムが崩壊?』
『この国の食卓に並ぶのは99%がハイパーオーツを原料とする加工食品。世界最強と言われている遺伝子組み換え麦、ただ一品目に依存しています』
『多様性を失った大量の「単一種」か。なるほど、一つ致命的な欠陥が見つかれば、一気に全滅する可能性もある』

並ぶ記述に目を通しながら、狡噛はこれだと確信する。その時、パソコンに通知が入った。通話らしい。雑賀は一言断りを入れると、それに応じた。すぐに画面が切り替わり、外国人の姿が映る。モニタの中の人物は狡噛の姿を認めると、口角を上げて尋ねた。

「おや、悪巧みか?」
「これは驚いた、私の生徒をご存知とは」
「一方的にな。未来の息子候補だ」
「は・・・あの、雑賀先生。話が読めないのですが」

未来の息子。何故そんな単語が出てくるのだろうか。そもそも一方的に知っているとは、どういうことだ。雑賀が躊躇うことなく通話に応じたことから、警察関係者ではないだろうが、一体何者だ。狡噛の怪しさ満点の表情に、男は愉快そうに笑う。徐に席を立ちすぐに戻ってくると、こちらに見えるように何かを見せてくる−−−写真だ。狡噛は息を飲む。と同時に、彼が何者なのか理解した。そこには三人の人間が写っている。まず狡噛、そして宜野座。その間で笑っているのは紛れもなく胸を焦がす彼女だ。

「初めまして。娘が世話になっている。レオン・ルートヴィヒだ。よろしく頼むよ」
「こちらこそ、狡噛慎也です」
「で、用件は?」

せめて未来の息子について突っ込ませてほしかったが
雑賀が遮るように質問した。まぁ、時間がないのは確かだ。仕方ない。男−レオン−は肩を竦め、言葉短く答えた。スッと表情を消す様は、娘によく似ている。

「一応、お前さんにも伝えておこうと思ってね。合図が来た。どうやら巣立ちの時らしい」
「合図?」
「全て終わる時はサインを送るように言ってあったんだが、それが今朝届いた」

レオンが見せた小さな厚紙には、Q.E.D.−−−ただ一言そう書かれていた。流れるような筆跡は見覚えがある。証明終了。端的に示されたサイン。響歌らしいなと狡噛は目元を緩めた。

「生きて成し遂げるとは思っていなかった。直接伝えられないのがとても残念だ。娘を受け止めてくれたこと、礼を言う」
「救われていたのはこちらです。それに、あいつには俺以外にも寄る辺があります。大丈夫ですよ」

レオンはやけに真面目に礼を言った。それに狡噛は穏やかに笑うと、そう返す。寄る辺と聞いて浮かんだのは、一度だけ会った赤井の姿。娘と同じ、光の宿ったを思い出した。一瞬の思考を終え、溜息を吐く。もう二度と会うことはないだろう。彼とも、そして響歌とも。それでも見送るのが骸でないだけで十分だ。見返りが欲しくて引き取ったわけではない。贖罪だと思った。だがそれよりも、行く末を見てみたいという思いの方が強かった。人を愛するより先に、人を殺めてしまった少女。それがまさか他人を愛するようになるとは、解らないものだ。

「忙しいのに悪かった。狡噛君、健闘を祈る」
「…はい、ありがとうございます」

察しのいい男だ。流石は彼女の父親。槙島の存在など知らないだろうに、狡噛がこれから何を成そうとしているのか、なんとなく理解しているのだろう。レオンは頭を下げる狡噛に目を細め、軽く手を振った。それに雑賀が小さく頷くと、通信が切断される。

「ローズに戦い方を教えたのはあの男だ」
「何者なんですか」
「人数で言えば、お前なんかより余程多くの人間を殺しているだろうな…軍人だよ。それも精鋭中の精鋭。まぁ、若い頃の話だが。そんな男もこの国では健常者だ。疑念が生まれたのは実の親が理由でも、それを育てたのは環境なのかもしれんな」

もう訊くのは止そう。彼女については、叩けば叩いただけ情報が湧いてくる。いつか本人から聞けばいい。その時は自分の話もしよう。今までの人生で何を見てどう感じ、行動してきたのか。きっと胸躍る会話になるだろう。瞼を閉じれば、隣で相槌を打つ彼女の横顔が容易く想像できた。こんな甘い未来を想像している男が、復讐を成そうとしている。そのちぐはぐさが滑稽で、思わず笑った。脳を支配するビジョンをそっと仕舞い、現実へと。それから雑賀と協力し、数時間かけて大量の資料を吟味した。ふたり会話を交わし、整理していく。人口の激減とシビュラシステムの完成により、人口の大都市への一極集中は避けられなかった。しかし人は動かせても土地は動かせない。結果、農業や畜産は完全自動化を余儀なくされた。

「シビュラシステムを運営するために、日本はいわゆる二度目の鎖国状態に入った」
「海外とのつながりを完全に断つためには、豊富な食料が絶対条件だった。そのために作られたのが、強力な遺伝子組み換え農作物−−−ハイパーオーツ。同じ耕地面積でも、数十倍の量が生産される品種を開発。食料危機という言葉は、この国の辞書から消えた」

狡噛の言葉に雑賀が続ける。農業ドローンの大量投入。ハイパーオーツと、疫病・害虫対策の善玉ウイルス。今や北陸全域が完全無人の巨大穀倉地帯だ。もしも槙島がこれに目をつけたとして、農作物に致命的なダメージを与えることができれば、彼の目的は達成されることになる。そう呟きながら、狡噛は眼光鋭くここにはいない宿敵を睨みつけた。

「自給体制が崩壊すれば、日本は再び食料を輸入しなければなりません。他国に対するコミュニケーションを拒絶していた。それを、急激に改めなければならない」
「食料不足によって日本国民全体の犯罪係数が上昇」
「食料輸入を解禁すれば、国境警備はどうしても緩めざるをえない。難民の流入も始まるでしょう。犯罪係数の測定そのものが、無意味になるかも。それを実現するためには専門家の力がいります。今、槙島は…」
「そこまでだ」

ひとり呟きながら推理を進める狡噛を、雑賀の言葉が制止した。戸惑う彼に「ここから先は一人でやれ」と告げる。まるで自分の役目はここまでだとでも言うように。いつの間にか夜が明けて、朝になる。あと数日後には全て終わっているだろう。追っているのはこちらなのに、狡噛の脳には自分が槙島を殺す光景がはっきりと浮かんでいた。自宅前の駐車場で、バイクにまたがる。公安局は、すぐにここを嗅ぎつけるに違いない。見送りに出ていた雑賀が笑ってそう言った。

「本当にご迷惑をおかけしました」
「気にするな。社会に参加せずに引きこもっていたバチが当たった」
「雑賀先生に一つだけお願いがあります」
「なんだい」
「命を大事にしてください」

雑賀の顔から笑みが消える。最後の最後で、師にこんな顔をさせたことを狡噛は内心誇った。そしてこう続ける。

「公安局から取引があったら、のってください。執行官をやるくらいなら処分されることを選ぶ・・・そういう決断は潔くても無責任だ」
「・・・心を読まれた気分だ。どうやった?」
「観察力と論理的思考ですよ。雑賀先生。そして今のは響歌の受け売りです。人間である以上、生に貪欲であるべきだと…あいつは常にそう言って、それを実践している。どうか、人であることを止めないでください。貴方なら出来るはずだ」

心を捨てるな、生きろ。彼女の信念は彼女だけのものだ。だがそれは、紛れもなく狡噛を照らしている。傍にいなくても、いつも聴こえる声。厄介な呪いだなと雑賀は笑った。

「それがいかに難しいことか、あいつは理解していないのさ。だが、善処しよう」
「お願いします」
「狡噛。もし再会が叶うとしても、一人で来るなら俺は会わない。必ず一緒に来い。その時はとびきり美味いコーヒーを淹れてやる」

目を見開き、狡噛は微笑む。偽りのない、綺麗な笑顔だった。それでも約束はしない。守れる自信も、確証もないのだから。ヘルメットを被り、走り出す。復讐劇が始まろうとしている。

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に痺れた!