かわいらしい顔がずいっと近づいてきて、目がキラキラしているのが嫌でも視界に入ってしまう。アイドル顔負けじゃないか?と思わせるぐらいには華やかで愛らしい子「タチバナヒナタ」さんは鼻息を荒げながらどんどんこちらに詰め寄って、優しい香りをまとう女の子から私は逃げられないまま背中に壁をつけた。
「あの!前から!AAAさんとはすっごくお話ししたくて!」
「ぅうん、そう、なんだ」
勢いが強い。あれか、恋人同士は似るのか。タケミチ君も方向性は違うが勢いはあるもんな。
苦笑いしているタクヤ君とカズシ君は静観だし、マコト君はなぜかうんうんと頷いているし、アツシ君も妙な顔をしている。一人だけ、自分の彼女を私に紹介したいと言ってきたタケミチ君だけは目がらんらんと異様に輝いている。やっぱり似たものカップルで間違えなくないですか?離れて欲しいな。
「かっこよくて!その!仲良くなりたくて!あの!でも、お一人が!おひとりがすきだとは!聞いてるんだけど!!」
「おちついてヒナタちゃん」
かっこいい?仲良くなりたい?意味をしっかり理解できずわけがわからないままの言葉がスラスラ出てくる彼女の口をやんわりとめて、私の印象どうなってるんだろうと背中に汗をかく。
ただの人見知りでただの口下手、声色に感情が乗りにくいらしく冷めきった声がぼろぼろあふれてくるし、ひっくるめて人となにかをするのが苦手で距離をおいてしまい学校でもどこでもだいたいぼっちのお一人様。周りはなにを思ってるのか、クールだね!とか大人っぽいね!と曰うので私はそれを利用して誤魔化して肯定も否定もしない。それでなんとなーくでゆるりと過ごしてきたのに、この圧。圧。いやぁ、怖いぐらいの勘違いじゃない?もしかしてタケミチ君もこれか?え?まじ?
「あの!!!AAAさん!!!!!!」
すごいなこの子、軽くだけど口塞いでる手が意味を成してない。
「お友達になって下さい!!!!!!」
そこでにこにこしてるあほ面彼氏、似たり寄ったり思考してる彼女回収しろ???


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