だるい日というのは存在する。
夜なのに熱気のような風ばかりで涼しくない。騒めきすぎて耳が痛いぐらいのはしゃぐ声がまざる人混み。ソースのしょっぱい匂いと飴の甘い匂いが混ざって容量の少ない腹が減った、気になる。そう、祭りだ。あちらこちらではしゃぐ人がごった返すこの夏祭り。母の友人(らしい)人から人手が欲しいと言われ両親からもお願いされたため出店の開店準備を手伝って、屋台で使える割引券をもらった。屋台に引かれるものがないわけじゃないが、お小遣いをここで消費したくなくて誰かにあげようとして、両親から「お祭り回っておいで、夕飯もそこで済ましてきていいのよ」という善意のお言葉をいただいてしまい、まぁ、そういうことだ。だるくて面倒で雲行きも怪しくて、早く帰ってだらだらテレビでもみてしまいたいのに手ぶらで帰っても夕飯はないのだ。見渡す限りカップルばかりでなんとなく寂しくなって、あーあ、嫌だな、と思いながら財布の中身を確認した。
適当な焼きそばを半額で買い、端にあったベンチに座り早々と食べきる。一人前より少なくて生暖かいそれは美味しいけれど、物足りなくてりんご飴も買ってしまった。意外とりんご飴でかくて引いてしまっている自分がいる。
「はー、だるい」
人混みから逃げて早く帰ろう。傘も探さなきゃ。
「だりぃ」
ほら、知らない誰かも言ってる。だるい日は存在してる。


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