怪我人にかける言葉の温度でないことに呆然としている不良たちの間をするする抜けてきたAAAさんは、ドラケン君をみてはぁと息を吐いた。
「随分とボコボコだね」
「あはは」
「ヒナタちゃんと夏祭りデートじゃなかったの?」
「えっ?!なんで知って?!?!」
オレとぽんぽんと会話しながらAAAさんの大きめの傘はドラケン君に渡されてドラケン君がこれ以上濡れないようにされ、かこかことケータイでなにかを調べ出してはふむ、と首をひねる。困惑したままのドラケン君に説明はなく、持たされた傘でAAAさんが濡れないようにと彼女の方に傾けようとして自分につっかえされているのが見えて少し笑いそうだ。
「アツシ君から聞いた」
「アッくん!!!!!!」
じとりとしたAAAさんの視線が手にそそがれ、ポケットからハンカチを渡される。
「手、まける?」
「ありがとうございます」
綺麗なハンカチは受け取っただけで即座に血で染まっていく。傘を無くし雨にぬれだしたAAAさんは鬱陶しそうに短い髪を軽くかきあげている。
「タケミチ君…、説明」
「はい」
オレは申し訳なさで深々と頭を下げたあと、東卍とか愛美愛主とかの言葉をぼかしつつ喧嘩したことをやんわり説明し、他にも色々がいつまで、一番大切で聞きたいであろうドラケン君が刺されて救急車を待っていたことを伝えて、ちらりと顔を上げる。AAAさんは「ふーん」と呟いてかこかこと触っていたケータイから視線をはずしドラケン君にむきなおった。
「清潔な布ある?」
「は……………?」
「無いです!」
「だよね」
ハッとしたらしい不良たちが声を荒げるのが聞こえて、オレはAAAさんとドラケン君から視線を外した。足のふらつきはなんだかおさまっているようだった。
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