典型的味方になる系悪役との出会い
アリーチェはその生徒のほとんどがマフィア関係者が通う高校に進学してまもなく非常に辟易としていた。
この学校は特殊な生徒構成からわかる通り、ほとんどが男子生徒で女子生徒はクラスに1人か2人という状況だった。
アリーチェは同じクラスになったたった1人の女子 ラウレッタと仲良くしようと思っていたが、彼女は既に活動している殺し屋らしく入学式以降全く授業に出ていなかったし、1度だけ声をかけたが、何をした訳でもないのになぜかこっぴどく嫌われていて、彼女と仲良くなるのは諦めたのだった。
そして年頃の男共は当然のようにアリーチェを性の対象として見ていて、休み時間は男共から逃げて撒く生活が続いていた。
一方でディーノはというと、休み時間や放課後はリボーンにしごかれており、アリーチェに注意を向けられる状況ではなかった。
何度も逃げ出そうと思いつつも、リボーンの制裁が怖くて実行できなかった。
そんな日々が続いた肌寒いある日の昼休み、アリーチェはいつも通り男子生徒達から逃げており、学校の敷地の端の森に踏み入っていた。
「(こんなに追い詰められたのは入学以来初めてかな…?)」
木に背を預け、息を切らしながらアリーチェは辺りを見回した。
「(足音が近い…!まだ撒けてない…!)」
アリーチェは逃げようと思ったが、足音が前後から聞こえて足を止めた。
挟み撃ちにされていることに気付いたのだ。
「(まずい…!)」
アリーチェは右に逃げようとしたが、その進行方向からも足音がして、一瞬体が硬直した。
反対方向に逃げようとしたその時、両サイドに奴らの姿を視認した。
「へへっ…やっと追い詰めたぜ。」
「今日こそはその体差し出してもらうぜ。」
「ひひっ…やっと犯せるな。」
下卑た笑みを見せる3人にアリーチェは額に冷や汗が伝うのを感じた。
「……………」
「今まで散々手こずらせてくれたなぁ!!」
入学して1番のピンチにアリーチェは頭をフル回転させて脱出経路を考えるものの、森という複雑な地形に踏み入ってしまったことが仇となってどの経路も確実ではなかった。
しかしいつまでもそうしていれば犯されるのは必至で、アリーチェは最も可能性のある経路に足を踏み出そうとした。
その瞬間だった。
けたたましい声と白い人影が上から降ってきたのは。
「う゛お゛ぉい!!うるせーぞぉ!!」
そう言ってその人影は容赦なくリーダー格の男を斬りつけた。
アリーチェはその男の顔を知っていた。
前世で見た時は長髪が特徴だったが、今は短髪らしい。
『サメの…人…』
思わずアリーチェは日本語でそう呟いた。
リーダー格の男は何が起きたのかわからないといった顔のまま胸部から腹にかけて血を噴き出しながら倒れた。
「う、うわぁああああ!!」
1人は逃げた。
もう1人はその場に尻餅をついて、失禁した。
アリーチェも固まっていたが、すぐに我に返り、逃げていく男に向かって叫んだ。
「ちょっと!!逃げるならついでにこの人医務室へ運びなさいよ!!私は運べないからね!!」
男は足を止め速攻戻ってきて、負傷した男を背負うと人を背負っているとは思えない速さで逃げた。
失禁していた男も我に返り、一緒に逃げた。
振り返った元凶の男は銀髪に灰色の目をしていて、左手に剣を構えていた。
「ありがとう」
アリーチェは目が合ってすぐお礼を言った。
「テメーのためじゃねぇ。人が昼寝してるのにうっさかったから斬ったんだぁ。」
これは典型的なツンデレではないかとアリーチェは思った。
アリーチェは彼の名前は思い出せなかったが、どういった人物なのかは思い出した。
彼はザンザスの部下でとても強い剣士で殺し屋だ。
最初は主人公ツナの敵として現れるが、10年後は味方だったはずだ、と。
関わってしまったのならディーノ同様、友好的な関係を築いておくに越したことはないだろうと考え、アリーチェは彼に向かって微笑んだ。
「そうなんだ。でも結果的には助かったからありがとう。何かお礼をしたいんだけど、何がいい?」
「ああ゛?別にいらねーぞぉ。……いや、待てぇ、さっき何て言ってやがった?」
「さっき」を指すのがいつなのか一瞬アリーチェは考えて、礼を述べる前の話だと見当をつけた。
「あ、ごめん、失礼だったかな?サメの人って日本語で言ったの。確か苗字がSqualo(サメ)じゃなかった?」
「テメー日本語喋れるのか?」
「うん、小さい頃から練習しててネイティブレベルだって言われてるよ。」
すると彼は口端を吊り上げた。
「なら日本語の練習相手になれぇ。」
「もちろん良いけど、物とかじゃなくて大丈夫?」
「別に今欲しい物はねぇ。オレはもうすぐ世界中の剣士と勝負しに旅に出る。日本には刀を扱う特殊な流派がいくつかあると聞く。当然、日本にも寄る予定だぁ。現地の言葉が話せた方が何かと都合がいい。独学で勉強してある程度は話せるつもりだが、他人と会話した経験はねぇ。だから俺がこの学校にいる間は時間を作って日本語で会話しろぉ。」
「なるほど、事情はわかった。それじゃあ日本語で恩を返させて。」
スクアーロは「ああ」と不敵に笑った。
この学校は特殊な生徒構成からわかる通り、ほとんどが男子生徒で女子生徒はクラスに1人か2人という状況だった。
アリーチェは同じクラスになったたった1人の女子
そして年頃の男共は当然のようにアリーチェを性の対象として見ていて、休み時間は男共から逃げて撒く生活が続いていた。
一方でディーノはというと、休み時間や放課後はリボーンにしごかれており、アリーチェに注意を向けられる状況ではなかった。
何度も逃げ出そうと思いつつも、リボーンの制裁が怖くて実行できなかった。
そんな日々が続いた肌寒いある日の昼休み、アリーチェはいつも通り男子生徒達から逃げており、学校の敷地の端の森に踏み入っていた。
「(こんなに追い詰められたのは入学以来初めてかな…?)」
木に背を預け、息を切らしながらアリーチェは辺りを見回した。
「(足音が近い…!まだ撒けてない…!)」
アリーチェは逃げようと思ったが、足音が前後から聞こえて足を止めた。
挟み撃ちにされていることに気付いたのだ。
「(まずい…!)」
アリーチェは右に逃げようとしたが、その進行方向からも足音がして、一瞬体が硬直した。
反対方向に逃げようとしたその時、両サイドに奴らの姿を視認した。
「へへっ…やっと追い詰めたぜ。」
「今日こそはその体差し出してもらうぜ。」
「ひひっ…やっと犯せるな。」
下卑た笑みを見せる3人にアリーチェは額に冷や汗が伝うのを感じた。
「……………」
「今まで散々手こずらせてくれたなぁ!!」
入学して1番のピンチにアリーチェは頭をフル回転させて脱出経路を考えるものの、森という複雑な地形に踏み入ってしまったことが仇となってどの経路も確実ではなかった。
しかしいつまでもそうしていれば犯されるのは必至で、アリーチェは最も可能性のある経路に足を踏み出そうとした。
その瞬間だった。
けたたましい声と白い人影が上から降ってきたのは。
「う゛お゛ぉい!!うるせーぞぉ!!」
そう言ってその人影は容赦なくリーダー格の男を斬りつけた。
アリーチェはその男の顔を知っていた。
前世で見た時は長髪が特徴だったが、今は短髪らしい。
『サメの…人…』
思わずアリーチェは日本語でそう呟いた。
リーダー格の男は何が起きたのかわからないといった顔のまま胸部から腹にかけて血を噴き出しながら倒れた。
「う、うわぁああああ!!」
1人は逃げた。
もう1人はその場に尻餅をついて、失禁した。
アリーチェも固まっていたが、すぐに我に返り、逃げていく男に向かって叫んだ。
「ちょっと!!逃げるならついでにこの人医務室へ運びなさいよ!!私は運べないからね!!」
男は足を止め速攻戻ってきて、負傷した男を背負うと人を背負っているとは思えない速さで逃げた。
失禁していた男も我に返り、一緒に逃げた。
振り返った元凶の男は銀髪に灰色の目をしていて、左手に剣を構えていた。
「ありがとう」
アリーチェは目が合ってすぐお礼を言った。
「テメーのためじゃねぇ。人が昼寝してるのにうっさかったから斬ったんだぁ。」
これは典型的なツンデレではないかとアリーチェは思った。
アリーチェは彼の名前は思い出せなかったが、どういった人物なのかは思い出した。
彼はザンザスの部下でとても強い剣士で殺し屋だ。
最初は主人公ツナの敵として現れるが、10年後は味方だったはずだ、と。
関わってしまったのならディーノ同様、友好的な関係を築いておくに越したことはないだろうと考え、アリーチェは彼に向かって微笑んだ。
「そうなんだ。でも結果的には助かったからありがとう。何かお礼をしたいんだけど、何がいい?」
「ああ゛?別にいらねーぞぉ。……いや、待てぇ、さっき何て言ってやがった?」
「さっき」を指すのがいつなのか一瞬アリーチェは考えて、礼を述べる前の話だと見当をつけた。
「あ、ごめん、失礼だったかな?サメの人って日本語で言ったの。確か苗字がSqualo(サメ)じゃなかった?」
「テメー日本語喋れるのか?」
「うん、小さい頃から練習しててネイティブレベルだって言われてるよ。」
すると彼は口端を吊り上げた。
「なら日本語の練習相手になれぇ。」
「もちろん良いけど、物とかじゃなくて大丈夫?」
「別に今欲しい物はねぇ。オレはもうすぐ世界中の剣士と勝負しに旅に出る。日本には刀を扱う特殊な流派がいくつかあると聞く。当然、日本にも寄る予定だぁ。現地の言葉が話せた方が何かと都合がいい。独学で勉強してある程度は話せるつもりだが、他人と会話した経験はねぇ。だから俺がこの学校にいる間は時間を作って日本語で会話しろぉ。」
「なるほど、事情はわかった。それじゃあ日本語で恩を返させて。」
スクアーロは「ああ」と不敵に笑った。
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