潰れそうな小さな子
ハルちゃんを家まで送り届け、ランボ君とイーピンちゃんも沢田家まで連れ帰った後、リボーン様から電話がかかってきた。
曰く、六道骸とその一味を倒しツナ君達は皆負傷し病院に運ばれたが命に別条はないとのこと。
六道骸の一味は復讐者 に連行されたそうなので、ひとまず安心だと思っていいみたい。
叔父さんからもハルちゃんを襲った犯人は復讐者 に身柄を引き渡したと連絡があった。
僕は病院へと急いだ。
面会できるリミットまで余り余裕のない時間に着いて、ツナ君達が入院している病室へと足を運ぶ。
「ツナ君!」
「優希?い゛…いでででで…」
ツナ君はベッドには横たわっていたけどもう起きていた。
リボーン様もベッドの縁に座っていた。
「良かった!無事で…!」
「それはこっちのセリフだよ!あ゛っ…いでで…」
ツナ君は痛みに悶えながらも僕を睨む。
「ハルを守るためとはいえ何であんな無茶したんだ!?」
「無茶じゃないよ。城島君とやらと交戦した経験から、彼と同等かそれ以下の実力の持ち主なら確実に抑えられるって確信があったから。」
「っ!」
「優希の言ってることは本当だぞ。パワーでは男に勝てねーが、スピードや柔軟性、防御力で他を圧倒するから、並中喧嘩の強さランキングで4位なんだ。」
「なっ…リボーンまで!」
「それに優希にハルの護衛を頼んだのはオレだからな。優希もハルも無事だったから結果オーライだろ?」
「リボーン!」
リボーン様を責めるように名前を呼ぶ。
「ツナ君、自分より格上だと判断したらちゃんと逃げてたから。もうちょっと僕を信頼してよ。」
「優希……ごめん、優希が弱いとかそんなことを言いたいわけじゃなかったんだ……」
「うん、わかってるよ。心配してくれてありがとう。」
「うん…」
どうやら落ち着いてくれたみたいだ。
「ハルのこと、守ってくれてありがとう。」
「どういたしまして。まあ、ハルちゃんは僕の友達でもあるからね。」
「確かに。」
「退院はいつなの?」
「オレはもう退院して大丈夫だって。けど全身筋肉痛で痛いから家まで歩けそうにないや。」
「じゃあタクシー呼ぶよ。」
「獄寺君達の様子は見た?」
「ううん、これから。」
「オレ、移動するのしんどいから見て来てくれないかな?」
「うん、任せて。」
「オレも行くぞ、優希。」
リボーン様はそう言って僕の肩に乗った。
僕はツナ君の希望通り、まずはビアンキさんの病室を訪れた。
ビアンキさんはぐっすり眠っていて起きる気配はなかった。
聞けばマインドコントロールされたフゥ太君にお腹を刺されたらしい。
酷過ぎる。
次に向かったのは獄寺君と山本君の病室で山本君は意識を取り戻していた。
「山本君、怪我は……大丈夫ではないよね。何か食べたいものとかある?」
「ハハッ、勝手に大丈夫じゃなくすんなって!これぐらいの怪我なら秋の大会には間に合うぜ!オレは元気が取り柄だからな!」
「凄い回復力だね。大事な試合に間に合うなら良かった。」
「おうよ!そうだ!怪我早く治してーから牛乳飲みてーんだけど買ってきてくんね?」
「任せて。」
僕はすぐに病室を出て1階の売店に向かった。
早速パックの牛乳を買って走らない程度に急いで戻った。
「お待たせー」
「サンキュー」
ストローを差して渡したら、山本君は早速牛乳を飲み始めた。
「…はぁ、やっぱこれが1番だな。」
まったりした様子でそう言う山本君に笑みが漏れる。
「うっ…」
ふと呻き声が聞こえた。
山本君は怪我の割にピンピンしているから、獄寺君が起きたんだと思って近付いてみた。
「…っ?」
獄寺君はうっすら目を開ける。
まだ焦点が合ってないみたいだ。
「気分はどう?獄寺君。怪我は絶対痛いだろうけど、気持ち悪いとかない?」
「……守屋」
獄寺君はぼーっと僕を見つめる。
しばらくそうした後、ハッとしたように目を広げて起きあがろうとした。
「う゛っ…」
「あ、無理しちゃダメだよ。ツナ君なら無事だから。」
「……なんで聞きてーことわかったんだ?」
「獄寺君がまず1番に気にすることと言えばツナ君の安否だろ?全身筋肉痛で悶えてるけど、外傷は獄寺君達に比べたら全然だし、六道骸はツナ君がちゃんと倒したから安心して。」
「さすが10代目…!」
「やるな、ツナ♪」
獄寺君と山本君は笑顔を浮かべる。
「そうだ、獄寺君。さっきビアンキさんの様子見に行ったけど、まだ起きてなかったよ。」
「あの姉貴が?」
「あのビアンキさんが。今はゴーグル外している状態だから会わない方がいいと思うけど。」
「……まあ、アイツなら大丈夫だろ。そんな簡単に死ぬようなタマじゃねーし。」
「! 確かにそうだね。ビアンキさんは強い人だから。」
それにフゥ太君のつけた傷で死ぬなんてフゥ太君が酷い罪悪感を抱きそうな展開は、なんだかんだで面倒見の良いビアンキさんが最も嫌う展開な気がする。
「フゥ太は大丈夫だったのか?」
獄寺君の質問に僕は首を横に振った。
「フゥ太君は小児科病棟にいるからこれから会いに行くんだ。面会の時間がもうすぐ終わるから報告できるのは明日になると思う。一応外傷はないみたい。ただ…」
「精神的にどうかか…」
「うん………とにかくこの後見て来るよ。獄寺君は欲しい物とかない?山本君には牛乳買ってきたんだけど。」
「……特には。」
「わかった。じゃあ、僕はこのままフゥ太君に会って来るよ。」
「ああ。」
「見舞いありがとな!」
「うん」
僕は2人に手を振って小児科病棟を目指した。
フゥ太君がいる病室に着くと、ちょうどフゥ太君は起きていてパニックを起こしていた。
看護師さんが困った顔でフゥ太君の背中を摩っていた。
「僕…!僕っビアンキ姉を…!」
頭を抱え涙を流すフゥ太君の姿が痛々しい。
正直フゥ太君はイタリアと日本を行き来しているから、ランボ君やイーピンちゃんと違って沢田家に滞在してないことも多く、今回人質に取られていることに気付かなかった。
僕がツナ君にべったりだとはいえ、気付けずこんな目に遭わせてしまったことが申し訳ない。
後悔は尽きないけれど、今はフゥ太君を落ち着かせるのが最優先だと思って僕は彼の傍まで行って膝を付き、頭を抱えていた彼の手を握った。
「フゥ太君、こっちを見て。」
フゥ太君はゆっくりと顔を上げた。
「ビアンキさんなら大丈夫。今は疲れちゃって寝てるけど、大丈夫だから。」
「優希姉……」
「ビアンキさんが強い女性だってことはフゥ太君もよく知ってるだろ?」
「……うん」
フゥ太君は涙を止めて頷いた。
「それにフゥ太君は何も悪くないよ。悪いのは六道骸。むしろフゥ太君はツナのことを隠し通したんだから、自分の頑張りを誇っていいんだよ。」
「ほこる…?」
「そう。僕はツナ兄を守ったんだ!エッヘン!って。」
大袈裟に胸を張る仕草をするとフゥ太君はやんわり笑みを浮かべた。
「もうすぐ山本君の秋の野球大会があるからみんなで応援しに行こうね。」
「うん…!」
「よし、いい子だ。もうすぐ面会の時間終わるから今日はもう帰るけど、明日朝一で来るからね。」
「うん!待ってるね。」
「フゥ太君を宜しくお願いします。」
看護師さんに会釈をして、フゥ太君に手を振って、彼の部屋から出た。
一通りお見舞いできたので、次に目指したのはツナ君の部屋。
「ツナ君」
「優希!みんなどうだった?」
「ビアンキさんは寝てるけど、獄寺君と山本君は怪我の割には元気そう。フゥ太君は外傷はなくて、起きた時は少しパニックになってたけどもう落ち着いたよ。」
「ホッ……良かった〜」
あからさまに安心するツナ君に口角の筋肉が反応してしまう。
「じゃあタクシー呼ぶね。車椅子借りて来るから一緒に降りよ。」
「うん」
この後、筋肉痛に悲鳴をあげるツナ君を車椅子やタクシーに乗せたり、沢田家に着いてからツナ君の部屋に運ぶまで大変だったのは言うまでもない。
曰く、六道骸とその一味を倒しツナ君達は皆負傷し病院に運ばれたが命に別条はないとのこと。
六道骸の一味は
叔父さんからもハルちゃんを襲った犯人は
僕は病院へと急いだ。
面会できるリミットまで余り余裕のない時間に着いて、ツナ君達が入院している病室へと足を運ぶ。
「ツナ君!」
「優希?い゛…いでででで…」
ツナ君はベッドには横たわっていたけどもう起きていた。
リボーン様もベッドの縁に座っていた。
「良かった!無事で…!」
「それはこっちのセリフだよ!あ゛っ…いでで…」
ツナ君は痛みに悶えながらも僕を睨む。
「ハルを守るためとはいえ何であんな無茶したんだ!?」
「無茶じゃないよ。城島君とやらと交戦した経験から、彼と同等かそれ以下の実力の持ち主なら確実に抑えられるって確信があったから。」
「っ!」
「優希の言ってることは本当だぞ。パワーでは男に勝てねーが、スピードや柔軟性、防御力で他を圧倒するから、並中喧嘩の強さランキングで4位なんだ。」
「なっ…リボーンまで!」
「それに優希にハルの護衛を頼んだのはオレだからな。優希もハルも無事だったから結果オーライだろ?」
「リボーン!」
リボーン様を責めるように名前を呼ぶ。
「ツナ君、自分より格上だと判断したらちゃんと逃げてたから。もうちょっと僕を信頼してよ。」
「優希……ごめん、優希が弱いとかそんなことを言いたいわけじゃなかったんだ……」
「うん、わかってるよ。心配してくれてありがとう。」
「うん…」
どうやら落ち着いてくれたみたいだ。
「ハルのこと、守ってくれてありがとう。」
「どういたしまして。まあ、ハルちゃんは僕の友達でもあるからね。」
「確かに。」
「退院はいつなの?」
「オレはもう退院して大丈夫だって。けど全身筋肉痛で痛いから家まで歩けそうにないや。」
「じゃあタクシー呼ぶよ。」
「獄寺君達の様子は見た?」
「ううん、これから。」
「オレ、移動するのしんどいから見て来てくれないかな?」
「うん、任せて。」
「オレも行くぞ、優希。」
リボーン様はそう言って僕の肩に乗った。
僕はツナ君の希望通り、まずはビアンキさんの病室を訪れた。
ビアンキさんはぐっすり眠っていて起きる気配はなかった。
聞けばマインドコントロールされたフゥ太君にお腹を刺されたらしい。
酷過ぎる。
次に向かったのは獄寺君と山本君の病室で山本君は意識を取り戻していた。
「山本君、怪我は……大丈夫ではないよね。何か食べたいものとかある?」
「ハハッ、勝手に大丈夫じゃなくすんなって!これぐらいの怪我なら秋の大会には間に合うぜ!オレは元気が取り柄だからな!」
「凄い回復力だね。大事な試合に間に合うなら良かった。」
「おうよ!そうだ!怪我早く治してーから牛乳飲みてーんだけど買ってきてくんね?」
「任せて。」
僕はすぐに病室を出て1階の売店に向かった。
早速パックの牛乳を買って走らない程度に急いで戻った。
「お待たせー」
「サンキュー」
ストローを差して渡したら、山本君は早速牛乳を飲み始めた。
「…はぁ、やっぱこれが1番だな。」
まったりした様子でそう言う山本君に笑みが漏れる。
「うっ…」
ふと呻き声が聞こえた。
山本君は怪我の割にピンピンしているから、獄寺君が起きたんだと思って近付いてみた。
「…っ?」
獄寺君はうっすら目を開ける。
まだ焦点が合ってないみたいだ。
「気分はどう?獄寺君。怪我は絶対痛いだろうけど、気持ち悪いとかない?」
「……守屋」
獄寺君はぼーっと僕を見つめる。
しばらくそうした後、ハッとしたように目を広げて起きあがろうとした。
「う゛っ…」
「あ、無理しちゃダメだよ。ツナ君なら無事だから。」
「……なんで聞きてーことわかったんだ?」
「獄寺君がまず1番に気にすることと言えばツナ君の安否だろ?全身筋肉痛で悶えてるけど、外傷は獄寺君達に比べたら全然だし、六道骸はツナ君がちゃんと倒したから安心して。」
「さすが10代目…!」
「やるな、ツナ♪」
獄寺君と山本君は笑顔を浮かべる。
「そうだ、獄寺君。さっきビアンキさんの様子見に行ったけど、まだ起きてなかったよ。」
「あの姉貴が?」
「あのビアンキさんが。今はゴーグル外している状態だから会わない方がいいと思うけど。」
「……まあ、アイツなら大丈夫だろ。そんな簡単に死ぬようなタマじゃねーし。」
「! 確かにそうだね。ビアンキさんは強い人だから。」
それにフゥ太君のつけた傷で死ぬなんてフゥ太君が酷い罪悪感を抱きそうな展開は、なんだかんだで面倒見の良いビアンキさんが最も嫌う展開な気がする。
「フゥ太は大丈夫だったのか?」
獄寺君の質問に僕は首を横に振った。
「フゥ太君は小児科病棟にいるからこれから会いに行くんだ。面会の時間がもうすぐ終わるから報告できるのは明日になると思う。一応外傷はないみたい。ただ…」
「精神的にどうかか…」
「うん………とにかくこの後見て来るよ。獄寺君は欲しい物とかない?山本君には牛乳買ってきたんだけど。」
「……特には。」
「わかった。じゃあ、僕はこのままフゥ太君に会って来るよ。」
「ああ。」
「見舞いありがとな!」
「うん」
僕は2人に手を振って小児科病棟を目指した。
フゥ太君がいる病室に着くと、ちょうどフゥ太君は起きていてパニックを起こしていた。
看護師さんが困った顔でフゥ太君の背中を摩っていた。
「僕…!僕っビアンキ姉を…!」
頭を抱え涙を流すフゥ太君の姿が痛々しい。
正直フゥ太君はイタリアと日本を行き来しているから、ランボ君やイーピンちゃんと違って沢田家に滞在してないことも多く、今回人質に取られていることに気付かなかった。
僕がツナ君にべったりだとはいえ、気付けずこんな目に遭わせてしまったことが申し訳ない。
後悔は尽きないけれど、今はフゥ太君を落ち着かせるのが最優先だと思って僕は彼の傍まで行って膝を付き、頭を抱えていた彼の手を握った。
「フゥ太君、こっちを見て。」
フゥ太君はゆっくりと顔を上げた。
「ビアンキさんなら大丈夫。今は疲れちゃって寝てるけど、大丈夫だから。」
「優希姉……」
「ビアンキさんが強い女性だってことはフゥ太君もよく知ってるだろ?」
「……うん」
フゥ太君は涙を止めて頷いた。
「それにフゥ太君は何も悪くないよ。悪いのは六道骸。むしろフゥ太君はツナのことを隠し通したんだから、自分の頑張りを誇っていいんだよ。」
「ほこる…?」
「そう。僕はツナ兄を守ったんだ!エッヘン!って。」
大袈裟に胸を張る仕草をするとフゥ太君はやんわり笑みを浮かべた。
「もうすぐ山本君の秋の野球大会があるからみんなで応援しに行こうね。」
「うん…!」
「よし、いい子だ。もうすぐ面会の時間終わるから今日はもう帰るけど、明日朝一で来るからね。」
「うん!待ってるね。」
「フゥ太君を宜しくお願いします。」
看護師さんに会釈をして、フゥ太君に手を振って、彼の部屋から出た。
一通りお見舞いできたので、次に目指したのはツナ君の部屋。
「ツナ君」
「優希!みんなどうだった?」
「ビアンキさんは寝てるけど、獄寺君と山本君は怪我の割には元気そう。フゥ太君は外傷はなくて、起きた時は少しパニックになってたけどもう落ち着いたよ。」
「ホッ……良かった〜」
あからさまに安心するツナ君に口角の筋肉が反応してしまう。
「じゃあタクシー呼ぶね。車椅子借りて来るから一緒に降りよ。」
「うん」
この後、筋肉痛に悲鳴をあげるツナ君を車椅子やタクシーに乗せたり、沢田家に着いてからツナ君の部屋に運ぶまで大変だったのは言うまでもない。
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